93.ロンリーウルフと心優しき怪物の誕生 ページ10
-YG side-
真剣に衣装を選んでいるヒョンとジミナ。
ヒョンの提案に賛成してしまった手前、今更どんな衣装にするか聞く事は出来ない。
余裕な顔してその辺をうろうろしているテヒョナが恨めしい…
《ユンギヒョン…》
急にジミナに話し掛けられ、一瞬ビクッとした。
《おぅ…どうした？》
《僕、どうしたら良いか分かりません…》
《何をだ？》
《格好良いってなんでしょう？
僕は何を着たら格好良くなるんでしょうか？！》
《知るかよ…》
ジミナも相当悩んでいるようだ。
《うぅ…
ヒョンはAさんに格好良いって思われたくないんですか…？》
《お前なぁ、仮装で格好良いって思われたって仕様がないだろ？
そもそも、仮装で格好良いって…》
《むぅ！
じゃあ、ヒョンには特別教えてあげます！
テヒョナは、ヴァンパイアなんですよ…
そうと聞いて少しも焦りませんか？》
《………》
《テヒョナのヴァンパイアを見たら、Aさんだってきっと…》
《いや…大丈夫だろ？
仮装で格好良かったからと言って、それで好きになる…なんて事はない。》
《そうかなぁ……》
《考え過ぎなんだよ。》
何を言い出すかと思えば、全く下らねぇ…
まぁ、テヒョナのヴァンパイアに焦る気持ちも少しは分かる……そんなもん見たら、確かにAさんも意識するかも知れない……
《僕は、格好良いなぁって思われたいんですよぉ…
Aさんはどんなのが好みなんだろう…》
《美貴さんに聞けば良いんじゃね？》
《それだぁー！！》
一目散に美貴さんの元へ走って行くジミナ。
《テヒョナはヴァンパイア…か。
じゃあ、俺は狼男でもやるか…》
《ユンギ〜〜…》
今度はジニヒョンだ。
《……何ですか？》
《今、ちょっと聞こえちゃったんだけどぉ…
秘密で選ぼうって言ったのに、二人して狡くない！？》
《いや…不可抗力と言うか…
まぁ、聞こえてたなら話は早いです。
テヒョナはヴァンパイア、ジミナは…
まぁ直ぐ決まるでしょう。
で？ヒョンは？》
《…全然決められない》
《俺もです。》
《ねぇ、一体どうしたら良いの！？
今までこんなに悩んだ事ないよ…》
《ヒョン…俺、狼男やるんでフランケンやりません？》
《絶対やだっ！！》
《即答(苦笑)
交渉決裂ですね…
じゃあ、後はちゃんと自分で考えて下さい。》
《やぁ〜！そりゃないよ〜！
フランケンだけは勘弁して？ね？
ユンギだって、本当は狼男なんてしないでしょ？？》
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作者名：Miyoshi | 作成日時：2021年7月11日 2時
