忘れたくない4【YG・JM】 (ページ5)

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恐る恐るドアスコープを覗く。

(何で…………！？)

どうしよう…
返事をしてしまったから居留守は出来ない。

(出るしかない…よね…)

-ｶﾞﾁｬ……-

「……久し振り…。
まさか開けてくれるとは思わなかった。」

『……』

「話したい事があるの。」

正直とても迷ったけど、ここまで来たら逃げる訳にはいかない。

『……入って…。』

………………………………

こんな日が来るなんて、ないと思っていた。

佳織を家に招き入れている自分に、気は確かか尋ねたいくらい…

『……話って…？』

「具合はどう？」

『…そんな事を話に来たんじゃないでしょ？』

「そうね…単刀直入に言うわ。
この前公園で、私とパク・ジミンの事を見てたでしょ？」

(あの夢の事だ…)

“佳織には、記憶が無い事は悟られない方が良い…”
お兄さんの言葉が頭の中に響く。

『う、うん…』

「どう思った？」

『どう…って…』

私が夢の中で見た場面は、ジミンと佳織が向かい合っていて、近づく所で途切れている…

「……私達のキスする所を見て、どう思った？」

(キス…？)

そう思った瞬間、目の前が急に霞む。

『あ…』

フラッシュバックするかの様に、公園での出来事が脳内で再生される。
それと同時に、様々な映像が流れ込んでくる。

皆と空港で会った事…
ユンギとジミンに服を借りた事…
皆と買い物をしに行った事…
ユンギに抱きしめられた事…
ジミンに冷たい目で見られた日…
一度目の二人のキスシーン…
ジミンとキスした夜…

「何で泣いてるの…？
まさか本当にパク・ジミンの事好きなわけ？」

『……』

「まさかとは思ってたけど…」

『…………佳織。
あの時の事って、本当に起きた事なんだよね…？』

「は？
見てたくせに何なの！？」

『……』

一瞬にして呼び戻された記憶…
疑いようがないのに信じたくない…

「ねぇ…もしかして…
記憶が無いの？」

ハッとして顔を上げると、核心的な笑みを浮かべて私を見ている。

「そう…
あの日のパク・ジミン、凄く情熱的だった。
私の事タイプだって求めて来て大変だったわ。」

『……めて…』

「私と出会えて良かったって。
あんたに秘密で、これからも会いたいって。」

『やめて！』

また激しい頭痛が襲ってくる。
このパターン…
せっかく皆の事を思い出せたのにっ！

(お願い…！
忘れたくないっ…！)

私の願いとは裏腹に、そのまま意識を失ってしまった。

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