106.幸福になる為には誰かの不幸がついてくる ページ33
-YG side-
グギに痛いところを突かれた。
さっきの行動で確信に変わったんだろう。
でも、俺の態度ってそんなに分かりやすい感じだったか？
ポーカーフェイス気取って、めちゃくちゃ恥ずかしい事になった。
(ジニヒョンとジミナ、美貴さんも俺の気持ちに直ぐ気付いたくらいだし、そんなもんか…
この感じだとナムジュンとソホクも気付いてるかもな…)
それにしても、抱きしめたのには驚いた。
一種の鎌かけだったのか…
(安心して下さいって事は、好きの種類は俺やジミナとは違うって事だよな？
よく分かんねぇけど…)
別に、Aさんを好きだと言うこと自体、皆に知られて困る事ではない。
ただ、このままと言う訳にもいかない。
もう、帰る日も迫っている。
多分、言うなら今夜だ。
今夜を逃せば、もう二度と言えるチャンスは無くなる。
JM《ヒョン…》
しょげた声で来たのは、さっきまでの興奮が嘘のように落ち込んだ様子のジミナだ。
《どうした？》
JM《僕、取り乱しちゃって…
韓国語だったから、Aさんは内容までは分かってなかったみたいですけど…
僕…嫌われちゃったかな…》
《……》
JM《もし、グクじゃなくてユンギヒョンだったらあんなに怒らなかったかも知れないです…
何かもう頭がパンクしそう…！》
《まぁ…俺もちょっと焦ったぞ…》
JM《ですよね…まさかのグクで…》
《あぁ…》
JK《ジミニヒョン…》
JM《…何？》
JK《さっきはごめんなさい…》
JM《………》
JK《………》
JM《もう…良いよ。
僕は優しいから…さっきの事は許す！》
《………。
(許すのかㅋㅋ
大丈夫かよ……
こいつは策士だぞ……
身ぐるみ剥がされるぞ……って、それは俺か…)》
JK《ヒョ〜ン！》
JM《もう、本当に良いから！ww》
ハグしてる二人を尻目に周りを見渡すと、Aさんの姿がない。
(さっき決意したばかりだが、自分の気持ちをAさんにちゃんと伝えなければ……)
(…………おい…
俺は本当にまんまとグガの策略にはまってんな…)
(ジミナを心配してる場合じゃないって事か…)
(まさかマンネにそれを気付かされるとはな…)
心の中では雄弁な俺は、グガの作った流れに乗って想いを伝える事になる………
はずだった……
.
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作者名：Miyoshi | 作成日時：2021年7月11日 2時
