104.嫉妬心 ページ31
-JM side-
玄関から美貴さんの声が聞こえた瞬間、ジニヒョンと僕は一目散で駆け出していた。
Aさんの姿をちゃんと確認出来て嬉しい気持ちは勿論あったけど…Aさんが僕との事を忘れていても、本人を目の前にしたらやっぱり恥ずかしくなって話し掛ける事は出来なくて、ジニヒョンの後ろにそっと身を隠してしまった。
ユンギヒョンが最初に挨拶をして、それにAさんが返答して、僕らの仮装を一通り見回すと少し微笑み、感嘆の声を上げていた。
美貴さんに促されて中へ足を踏み入れ、Aさんがリビングに入ったところで、Aさんの直ぐ後ろにいたグクがまさかの言葉を発する…
JK「Aヌナ…」
(え？聞き間違い？かな…(苦笑))
何て言ったのか再確認したら
「Aヌナ。」
そうはっきり言った…本当にビックリだった。
グクがそんな風に呼ぶなんて、絶対にないと思っていたからだ。
初めてAさんにあった日、車の中でヌナと呼んで良いか聞いたら「名前で呼んで欲しい」と言われたから、ヌナ呼びは我慢してたのに！
ユンギヒョンだって、きっと僕と同じ気持ちだと思う。
グクがAさんに謝りたかった事は、あの時に僕が直接聞いていた事だから勿論分かっていた。
僕があんな事にならなければ、直ぐに実現出来ていたのも事実…だから、それは本当に申し訳ないと思ってる…
思ってるけど！
謝りながら抱きしめるとか、どう言うつもり？！
僕の気持ちを知っていて何でなんだよ！
兎に角、頭は真っ白な状態だったけど必死で離れるように抗議した。
テヒョナは面白がってるし、そんな僕に対して“人の事言えない”と言ってくるし…
僕にしか聞こえないくらいのヒソヒソ声だったみたいだけど、パニックになっている僕にはその声が大きく聞こえていた。
グクはグクで、僕にも“ヌナって呼んで抱きしめたら良い”なんて…
そんな簡単に言うなよ…
興奮している僕をテヒョナが宥めてくれ少しずつ落ち着いてきたけど、やっぱり納得出来ない。
グク、どうして……？
まさか、グクも…？なんて事はないよね…？
Aさんがグクに、気にしないでと言っている。
その後、フラッと動き出したグクの前にユンギヒョンが立ちはだかった。
そんなヒョンを見て、ニヤッと笑ったグクがヒョンに耳打ちで何か言ったみたいだ。
一瞬ユンギヒョンの表情が驚いたように見えたけど、その後は何か考え込む様子でソファに行ってしまった。
凄く気になる…
.
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作者名：Miyoshi | 作成日時：2021年7月11日 2時
