101.初めまして…は、波乱の予感 ページ28
(こ…これは一体…どういう状況なの？
ジョングク君が流暢な日本語で私に謝ってくれたのは分かった。
うん…分かったんだけど…何故こうなるの？！)
急に抱きしめられた私は身体中の熱という熱が顔に集まり、今にも炎が出るんじゃないかと思う程紅潮していると思う。
クラクラして立っているのがやっと。
身動きも出来ない。
ジミンや他のメンバーが韓国語で騒いでいる…
(騒いでないで助けて欲しい…)
そんな中、ユンギの一言でジョングク君の体が私から離れた。
(ホッ………って安堵してる場合か！
私をまた病院送りにしたいの？！
何なのこの子…意味分かんない…)
でも、仮装の衣装のお陰かモフモフの感触だったのが救いだったと思う。
少し冷静になって辺りを見回すと、ジミンとジョングク君が言い合いをしていて、その周りで皆がやいのやいのと騒いでいた。
(韓国語で喋ってるから、内容ほぼ分かんないなぁ…
てか、これがあのBTSなの？)
動画やDVDばかり観ていたせいか、目の前にいる彼らが凄く子供に見えた。
等身大の韓国の男の子達。
歌やダンスの場面しか見ていなかった私には、とても新鮮だった。
(こうして見ると皆、普通の男の子なんだなぁ…
はっ…！
ボーッと見てる場合じゃないよ！)
『あのっ！
…ジョングク君の気持ちは分かりました。
その…覚えてないので何とも言えないんですけど、その時の事は私も悪かったんです！
だから、気にしないで。ね？』
私がそう言うと、髪の毛をくしゃくしゃっと掻いて何か呟くジョングク君。
私を見つめて一歩足を踏み出した時、目の前にユンギの背中。
『？？』
今度はなんだろう？と見ていると、ジョングク君がユンギに何か耳打ちしている。
私の方からはジョングク君のニコニコ笑っている顔しか見えない。
微かにピクッと反応していたように見えたけど…
少しして振り返ったユンギは、難しい顔をしていた。
何かを決意したような、そんな感じ。
(どうしたんだろう…)
少し心配になって見ていると、ユンギと目が合う。
特に何を言うでもなく見つめられて、居たたまれなくなり声を掛けた。
『大丈夫…？』
「…はい。」
そう返事をしてくれたけど、何か考え込む様子でソファの方へ行ってしまった。
射抜くように見つめられたせいか、鼓動が速くなる。
折角平常心に戻ったのに、急に体が熱くなり始めた。
(もう…なんなの…)
赤くなる顔を隠しながら、美貴さんのいるキッチンへ避難した。
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作者名：Miyoshi | 作成日時：2021年7月11日 2時
