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欠伸をしながら歩くユンギを横目に、建物の中に入る。
外観からはそんな風に見えなかったけど、予想以上の衣装の数々に皆が色めき立つ。
《こんなに沢山あるのか…》
《これを見ちゃうとマン以外もやりたくなっちゃうよ〜♪》
《僕も…クッキーだけじゃ物足りなく感じます！》
《わぁぁ…本当に凄いっ！
これ、あの時僕が着た白雪姫のやつと似てる！
小人たちの衣装も揃ってるよ！
ねっジミナ！》
バシバシとジミナを叩きながらはしゃぐテヒョナ。
《痛いよ…もぅ…》
《ねぇねぇ…こっちも見て…
僕のお目当てのヴァンパイア…》
《あ…本当だ…
結構本格的な衣装だね…》
急にコソコソと話し始めるクオズ。
(何を話してるんだろう…)
そう言えば、BT21以外の衣装についてはどうなってるのか知らない。
《ねぇ、テヒョナは何の衣装にするの？》
《えぇ…と、秘密です♪》
《やぁ〜、それを聞かないとこっちも選べないでしょ？》
《う〜ん……
明日の当日までは秘密にしたいです。》
《えぇ〜…困ったな…
ジミナは？決まってるの？》
《いえ…まだです》
《そうかぁ…
ユンギもあの感じだと絶対決めて無さそうだし…》
試着室の近くの椅子に足を放り出して座り、目を閉じているユンギ。
《さてと、BT21組はこっちに来てや〜。》
《《《はーい！》》》
ナムジュン、ホソク、ジョングクは仲良く採寸されに行く。
美貴さんが言うには、貸衣装と言えば一般的にはドレスや着物なんかが多いらしい。
家族写真とか、成人式、結婚写真なんかがメインみたいなんだけど。
ここの貸衣装屋さんは特殊で、アニメのコスプレ、映画なんかで使われてそうな衣装…
とにかくクオリティが高い。
衣装を作る時は、本来一ヶ月前には予約をするのが原則なんだけど、今回は特例中の特例で作って貰える事になったんだ。
《おーい、ユンギ〜。
寝てないで、どれにするのか決めようよ。》
《俺も秘密にしたいんで、ヒョンはヒョンで選んで試着でも何でもして下さ〜い…》
《やぁ……何だよ？
その言い草…ヒョンは傷ついたなぁ…》
《その程度の傷なら、唾でも付けとけば治るでしょ…》
《…………》
(今日のユンギ、僕への当たりが強くない？！
冷たいし…可愛くない…
もう何なんだよ…)
素っ気ないのはいつもの事だ…
今日は特別機嫌が悪いんだと思う事にした。
(はぁ…それにしてもこの中から選ぶのは骨が折れるなぁ…)
フリーで選ぶことにした僕は、早速後悔していた。
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作者名：Miyoshi | 作成日時：2021年7月11日 2時
