忘れたくない4【YG・JM】 (ページ13)

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秀人君のその言葉を聞いて、思い当たる節が一つだけあった。

『それって、佳織のお兄さんじゃないかな…。
韓国に留学してた時期もあるって言ってたから話せるかも…？
背も高かったし…』

「会った事あるのか！？」

『え…う、うん…
この前、ちょっと…』

「この前ってっ…！
何かされたか？てか、されてからじゃ遅いんだぞ！！」

『ご、ごめん…』

「秀人！！……大きな声出さないで。」

「いや…すまん……」

佳織のお兄さんに会った事を秀人君に話す必要は、あの時点では無いと判断して話さなかった。
でも、話しておいた方が良かったのかな…
今まで散々迷惑を掛けて来たんだし、それが筋ってもんなのかも知れないけど…

やっぱり私は誰かに頼る事が苦手だ…

『ごめんね…
会った事、話しておけば良かったね……
でも、何かされた訳じゃないの。
佳織の…昔の話を聞いて、どうして今みたいな感じになったのか…とか、そんな話を少ししただけで。
秀人君達を巻き込んでおきながら、自分勝手かも知れないけど…』

「いや…俺もちょっと感情的になった。
俺はさ…正直焦ってるんだ。
ミン・ユンギや他のメンバーだって心配してる…
後数日しか日本に居られないから、彼らもこの状況を自分達が居る内に、どうにかしたいと思ってるんだ…」

『………えっと…
ミン・ユンギってBTSの？だよね？』

「……あぁ…」

『私、そんなに彼らに心配して貰える程の関係だったの……？』

「………少なくとも、全く関係ないって事はないな…
覚えてないのか…？」

『全然……
私は、テレビ越しかスマホを通してしか知らない、夢の国の人達って感じ…かな…』

「…………」

-ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ-

「すみません！
遅くなりま…して…
良かった～…
連絡貰って生きた心地せぇへんかった…」

『美貴さん…
ごめんなさい、心配掛けて…』

「何があったんか、軽くしか聞いとらんかったから…
あの娘が来たんやろ？！
一体何しに…！」

『美貴さん落ち着いて！大丈夫だから…。
佳織が来た事は覚えてるけど、何があってこうなってるか覚えてないの…』

「ミン・ユンギの事も覚えてないって言ってます…」

「あぁ…うん、そうなんよ…」

「いつからこの状態なんですか？」

「少し前から…
メンバー全員の事を忘れてるんや…」

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