忘れたくない4【YG・JM】 (ページ12)

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94.現状維持と少しの進展ページ12

『ぅ…ん……。』

目を開けると、見覚えのある天井が目に入る。

(あれ…何で病院……？)

ゆっくりと体を起こしながら、状況を振り返る。

(あぁ……
そう言えば佳織が家に来て…
私、また倒れたってこと…？)

この状況になった事を思い出そうとしてみるけど、それを拒むかの様にズキズキと痛む頭…

-ｶﾞﾗｶﾞﾗ…-

「あ、目が覚めましたね。
大丈夫ですか？」

『真田先生…』

「A…」

『秀人君も…
どうして？』

「今日休みでさ。
買い出しに出たら人だかりがあって…
救急車も来てて、見てたらお前が運ばれて来たうえに佳織まで出て来たから…」

『そうだったんだ…』

「一体、何があったんだ？」

『それが…
佳織が家に来て、話をした事は覚えてるんだけど…
内容までは覚えてなくて…』

「そうか……」

秀人君は少し焦っているように見えた。

「先程、お義姉さんに連絡しました。
来てくれるそうです。」

『お手数をお掛けして…
すみません。』

「いえ、大丈夫ですよ。
それにしても、彼女は何故家に訪ねて来たんでしょう？
話した内容は少しも覚えてませんか？」

『すみません…
思い出そうとすると頭痛が…』

「そうですか…
無理は禁物なので、思い出せた時に話して下されば良いですよ。」

『はい…
………秀人君、さっき救急車が来てたって言った？』

「あぁ、佳織が呼んだらしい。」

『佳織が…？
信じられない…』

「ははっ！お前でもそう思うんだな。
まぁ、俺も信じられなかったけど。
何か…今日は様子が少し違ったんだよ…
説明しろって言われたら難しいけど、心なしか穏やかって言うか、表情が柔らかかったって言うか…」

『昔みたいに…？
初めて会った頃みたいって事……？』

「あぁ…
まぁ、相変わらず悪態吐いてたけどな。」

佳織が救急車を呼んで、此処に運ばれるように手配してくれたんだ…

何かが起きる前触れなのか…
それとも純粋に行動してくれたのか…

そう言う風にしか考えられない自分に、ほとほと嫌気が差してくる。

「そう言えば、さっきミン・ユンギから電話があって…」

『ミン・ユンギ？』

「？？…あぁ……。
佳織の知り合いで、背が高くて俺らよりも年上で韓国語が話せる奴を知ってるか…って。」

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