・ ページ11
.
《ヒョン…時計を見てください。
もう、フランケンが嫌だとか言ってる時間じゃないんですよ。》
《うわぁ…
いつの間にこんな時間になってたの…》
時計の針は既に11時を指している。
《決まってないのは俺らだけです。》
《え？ジミナもまだでしょ？》
俺はとある方向を指差し、それを見るヒョン。
そこには、満面の笑みでこっちに向かってくるジミナ。
良い仮装を思い付いたんだろう。
《と言うわけで、腹括りましょう。》
《うぅ…無念…》
《テヒョナがヴァンパイアだから、三大怪物が揃って丁度良いじゃないですか。》
《でもさぁ〜…フランケンって…
ユンギは良いじゃん、ロンリーウルフ…
何か格好良い響きでさぁ〜》
《フランケンは心優しき怪物です。》
《上手いこと言うよなぁ…
しかしさ、もうこんな時間になるのに採寸組が戻って来ないのは何で？
だから、まだ余裕があると思ってたよ…》
《確かに…
俺ら、こんな長い時間何してたんだ？って思いますね…》
《ヒョン達〜、決まりましたか？
僕は決まりました♪》
《あぁ、俺らも今決まったところだ。》
《他のメンバーは、2階でお茶してるそうです！》
《お茶…って…
言いに来て欲しかった…》
《僕らもお茶に行きましょう♪》
ヒョンは肩を落とし、お手上げのポーズを取りながらジミナに着いていく。
《ヒョン、俺ちょっと電話してから行きます。》
《あぁ…秀人さんにだよね？
頼んだよ……》
そこまでフランケンが嫌だったのか、心ここにあらず…と言った状態で2階へ向かって行った。
………………………………………………………
Prrrr……
「もしもし……………」
「あ…、ミン・ユンギです…」
秀人さんの声色が、心なしか暗く感じた。
「あぁ…
“今、翻訳アプリに変えた。
…………何かあった？”」
《“あの…一つお聞きしたい事があって…。
佳織って人の知り合いに、背の高い…
俺や貴方よりも年上の男性って居るか分かりますか？”》
「“いや…、佳織の友人や知人はよく知らない…
その男がどうかしたか？”」
《“えぇ…
ジミナがこの前の件の時に会ったみたいで…
近しい関係で、韓国語も話せたみたいなんです。”》
「“……そうか…。
こっちで調べてみるよ。”」
《“すみません…”》
「“いや…大丈夫。
後で報告するから。”」
「はい…。お願いします。」
秀人さんの様子が気になったが、その理由は聞けなかった…
.
94.現状維持と少しの進展→←93.ロンリーウルフと心優しき怪物の誕生
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Miyoshi | 作成日時：2021年7月11日 2時
