Clover【レッドアイズ監視捜査班】Ⅰ (ページ42)

今日:7 hit、昨日:20 hit、合計:539,686 hit

･＊･ページ42

･

翌朝、寝室の中に入ると、キツい鉄の匂い。

『あー、死んじゃった。』

奈美は呆然としていて、抜け殻みたいだった。
そんな奈美のガムテープを外してやる。

『ねぇ奈美、私の気持ち分かってくれた？』

そう言うと首を上下に振った。

『そっかー。』

奈美の顔は恐怖の色に染まっていく。

『大丈夫だよ、ちゃんと恋人のところに行けるから』

私はそう微笑むと、サイドチェストに
隠していたスタンガンで奈美を気絶させた。

『さてと』

私は立ち上がると窓をガムテープでしっかり塞ぐ。
寝室の出入口はガムテープを貼っておいて
勢いよく閉めれば塞がるだろう。

用意したのは練炭。

練炭自殺ってね、途中で目を覚ましちゃう
ことも多いんだよ。でも体は動かないの。
ただ苦しくて、死を待つだけ。

それを、男の上に置いた。

奈美をさらにキツく拘束して動けなくする。

最後の最後まで苦しんでもらうから。

奈美が目を覚ましたら男もろとも練炭に火をつける。
部屋中に煙が充満して動けなくなる。

数分後、奈美は目を覚ました。

『あ、おはよー』

奈美｢やだ、やだやだやだ｣

突然駄々をこねだした奈美。
危険を感じたのかな？
まあもう遅いけど。

『ばいばい。』

私は練炭に火をつけて、外へ出た。
しばらくすれば彼女は死ぬだろう。

念の為、火でもつけるか？

いや、やめよう。

もうこれで私の復讐は終わり。
あとはどうでもいい。

数日後、私は生きる目標を失って警察へ自首。
2人殺したし、暫くは外に出られないと思っていた。

でも、1年服役したある日、
いきなり出所することになった。
父が金と権力で解決したのだ。
これじゃあ奈美と同じじゃないか。

家に戻ると父に言われた言葉。
母が自殺した。
でも本当に自殺かはわからない。
殺されたのかもね。

父も私の一件で立場がないって嘆いた。
その割に私のことは刑務所から出したくせに。

次の日、父は大量の金を残して自殺した。

雅紀の両親にだって会いに行けてない。
服役中、面会に来てくれていたけれど全て断った。
会えるわけない。

葬儀もひっそり行った。

そこからはずっと1人だった。

これが響介さんに会うまでの話。

･

読んでいただきありがとうございます！
過去編終了です。
拙い文章で申し訳ないですm(*_ _)m
また本編の更新もしていきます！