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私は無事に高校を卒業し、
総代として卒業式で挨拶もした。
周りの人達は、
あんなことがあったのに立派だって褒めた。
思ってもないくせに。
その後、予定通り推薦で慶應義塾大学に進学した。
大学に入学してからも私の生活は変わらない。
必死に勉強するだけ。
言い寄られても、
告白されても恋人はつくらなかった。
友達だってつくらなかった。
誰も信用できないから。
時間があれば雅紀の両親に会いに行く日々。
バイトをしようかと思ったけど、許されなかった。
もともと勉強していたし、
大学での法に関する勉強は苦にならなかった。
1、2年で基礎固めをするという
カリキュラムらしいが、少々退屈だった。
法律なんて一度見たら覚えられるし。
それと同時に、法で奈美を裁くことの
難しさを感じ始めていた。
今更こんなこと学んでも、
何も出来ないのではないか？
こんなことしている場合なのか？
1度考えてしまったら簡単には拭えない。
私は大学2年生になるときには
4年間で学ぶ予定の事を全て独学で学び、
記憶するべき部分も記憶していた。
欠席になると面倒なので大学へはちゃんと通った。
ただ、考えるのは別のこと。
復讐の仕方。
どうすれば奈美の心に傷をつけられるだろうか。
できるだけ残酷な方法で、復讐したい。
そんなことを考えるようになってからは
犯罪心理学とか、過去の劇場型犯罪とか、
色々調べるようになった。
毒殺なんかも考えて薬学も自分で学んだし
確実に殺すにはどこを刺せばいいかとか、
動けないようにするには
どこを痛めつければいいかとかを知るために
医学についても学んだ。
そういえば、カウンセラーの先生が言ってたっけ、
復讐なんてしちゃだめだって。
でもさ、そうするしかないんだよね。
大切な人を失って、
その言葉を信じて犯人を裁くために学んでも、
結局無理なんじゃないかって悟った時、
私が生きていくための目標は、
復讐しか残っていない。
後のことなんてどうでもいいんだよ。
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作者名：らぎ
| 作成日時：2021年2月16日 17時
