Clover【レッドアイズ監視捜査班】Ⅰ (ページ34)

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銃声を聞いて、勢いよく部屋に入った響介さん。

だけどあれじゃ、もう助からない。
頭を撃ち抜かれたら…。

蠣崎は銃を響介さんに向けたが、
すぐに下ろして降伏した。

蠣崎は、復讐さえできれば
本当に他のことはどうでもよかったんだ。

私と、一緒だったんだ。

『蠣崎…』

震える手を要くんに握られながら、
絞り出すように名前を呼んだ。

響介さんは蠣崎の上に馬乗りになり、
持っていた銃を蠣崎に向ける。

蠣崎【撃て。彼女を失った時から
俺は死んだも同然だった。
殺せ、もう終わった。殺せ！】

島原「銃を下ろしなさい、伏見。っ銃を下ろして。……私が言ってるの」

島原さんの声を聞いて銃を下ろし、
響介さんは蠣崎を押さえつけ、確保。

足早に部屋から出ていってしまった島原さんを
追いかけようとしたときだった。

蠣崎【あぁ、そういえば、如月紅羽ちゃんだっけ？君は俺と同じだ…】

『…え』

蠣崎【愛する人を突然失って、その復讐のためだけに生きた。君なら俺の気持ちがわかるだろう…？】

『…っそれは…』

そこで通信は切れた。蠣崎は連行されるのだろう。

山崎｢紅羽…｣

小牧｢紅羽ちゃん…｣

2人が心配そうに私を見る。
2人だけじゃない、その場にいるみんなが。

『…私、私は…』

私は島原さんを追いかけようとしていたけれど、
追いかけたとして、
一体なんて言うつもりだった？

私は蠣崎と一緒のことをしてたのに。

呼吸が荒くなる。苦しい、辛い。

私はモニタールームを出て、
誰もいない廊下で思わずしゃがみこんだ。

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