Clover【レッドアイズ監視捜査班】Ⅰ (ページ32)

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島原【あなた……はるか…】

どうやら旦那さんと妹さんのようだ。

じゃあ蠣崎の狙いは、
島原さんの心に傷を負わせること？

場所はどこだろうか。
画面をよく見ると、ホワイトボートがある。

もしかしてと思い、私は要くんにLINEを送る。

紅羽島原さんの旦那さんが働いてる学習塾調べて

怯える妹さんを宥める旦那さん。
こんな時でも優しいんだね。

そんなことを思っていると要くんから返信が来た。

『響介さん、島原さんの旦那さんが働いてる
学習塾は港北区宮町台だって』

伏見【ここから20分だな】

湊川【20分、行きましょう】

『由美さんは敢太くんのそばにいてあげて。
あんなことがあったあとだし、
安心させてあげてよ…。』

それに由美さんは本調子じゃない。
このまま行かせるのは危険だ。
もう少しで捜査一課の応援も到着するはず。

由美さんは納得してくれたようだ。
響介さんはそのまま学習塾へ向かう。

蠣崎【優しい旦那じゃないか、妹さんもいい子だ。
お姉さんの代わりにプレゼントを渡しに来たそうだ】

島原【2人に触らないで。目的は何？】

蠣崎【あんたに質問がある。簡単な質問だ】

嫌な予感。

蠣崎【旦那か妹、どちらか選べ。
選んだ方を助けてやる】

島原【…っ馬鹿なこと言わないで】

蠣崎【選べなかったら2人共殺す。
10分以内に答えを出せ】

島原【…お願い。2人を解放して】

泣きそうな声で取り乱しながら訴える島原さん。
完璧に、冷静に仕事をこなす島原さんでも、
大切な人の命に危険が迫るとここまで切迫するのか。

蠣崎の冷たい笑い声が響く。
怖い。怖い。

こいつは、奈美と同じだ。
誰かの大切な人を殺そうとするのに、
こんなにも笑ってる。手が震える。
今、要くんはいないのに…。

早く会いたい…。

刑事｢もうすぐ着きますよ｣

『…はい、』

すると長篠さんのパソコンに捜査本部からの
メールが届いたようだ。

それを見たのか、要くんが話し出す。

小牧【蠣崎が殺した男の身元が分かった。
現場に血痕が残ってたみたい】

花倉英司38歳。前科があるらしい。

島原【花倉、平治…】

『島原さん、知ってるの？』

私が尋ねると島原さんは話し始めた。

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