Clover【レッドアイズ監視捜査班】Ⅰ (ページ22)

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すると受話器の向こうから
男性のうめき声が聞こえてきた。

人質がいるのか？
危害を加えられている可能性がある。

【俺の望みを無視すればこいつが次の犠牲者になる】

ゾディアックの模倣犯ならやりかねない。

【1つプレゼントを送る】

犯人の声と共にメールが送られてきた。
長篠さんがウイルス感染がないことを確認して、
モニターに映し出す。

小牧｢暗号の次は設計図か…」

添付されていたのは何かの設計図。
一体なんなんだろう。

伏見【設計図？なんでそんなものを】

島原｢分からない。解析結果を待つしかない」

山崎｢犯人の目的は、ほんまに楽しむことやろか」

伏見【どういうことだ】

確かに、殺しを楽しむだけなら、
人知れずやった方が安全。

でも犯人は新聞社のサイトに暗号文を載せろと
言っている。

小牧｢それは自分の存在を知らしめたいからだって」

『でもその割には殺し方が雑だよね。
男性を殺し損ねてる。
もしかしたら、何か他に目的があるのかも』

でもそれが何かわからない。

島原｢それで？被害者から新しい情報は？」

伏見【証言が出ました。音を聞いたそうです】

『音…』

被害者の男性は、
赤のオフロードバイクを運転する犯人を見たらしい。

島原｢犯人はオフロードバイクで逃走した可能性が高い。色は赤、該当する不審車両探して」

赤いオフロードバイク…？さっき見た。
長篠さんのメモにもあったはず。

私は大量の紙から一目散にあるメモを探し出す。

小牧｢やっと有力な情報が出てきましたね。
これで虱潰しなんて、
効率の悪いことしなくて済みますね」

『長篠さん、これ！』

長篠｢…！見つけました！山手森林公園より南西4km先、区民ホール前の交差点｣

事件の15分後に赤のオフロードバイクが
通過していて、ナンバー照合したところ
盗難車と判明した。

山﨑｢虱潰しが近道って事もあるんやな」

辰さんが要くんの方を見ながら呟いた。

長篠｢当該車両の逃走経路を追跡します」

島原「急いで！」

要くんは何が起こったか分からない
とでも言いたげな顔でメモを見つめた。

長篠｢如月さん、ありがとう…｣

『いーえ』

私は私にできることをやっただけ。

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