Clover【レッドアイズ監視捜査班】Ⅰ (ページ19)

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私が部屋に入ると、
机に取り付けられているモニターに
暗号のようなものが映されていた。

女性の服のポケットの中に
犯人のものと思われる入っていた手帳が
入っており、そこに何かが書かれていたらしい。

湊川｢実物は今、科捜研に鑑定依頼しています」

島原｢何なのこれ」

『暗号かな？』

要くんは島原さんがいないかのように
体を前のめりにして、
アルファベットの羅列ををじっと見る。

『あ、要くんは昔、重要なファイルを暗号化する
自作ソフトをネットで売ってたんです。』

それに今回の暗号はそこまで複雑なものではなさそう。私でも何となく見当がつく。

小牧｢多分ロット13かなぁ。」

島原｢ロット13？」

『簡単でシンプルな暗号です』

なんでこんな簡単な暗号を
警察に寄越すような真似をしたんだろう。

『これはアルファベットの文字列を
13個ずつずらして表記するだけのものです。』

小牧｢そう。AならN、BならO、CならP
っていう感じ。その法則に従って、
アルファベットを置き換えるとー…｣

カタカタカタと要くんのタイピングの音が響く。

暗号の内容は…

″私は人間を殺すのが好きだ。
森で獣を狩るよりずっと楽しい。
なぜなら、人間は最も危険な動物だから″

伏見｢…狂ってる」

由美さんがモニターを操作して
手帳の次のページを映す。

そこにあったのは

″本日午後4時警察発表として
大手新聞社3紙の公式サイトに暗号文を記載しろ″

という文章。

＿ﾊﾟﾁﾝ…

山崎｢ゾディアックやな」

辰さんが将棋の駒で音を立ててそう言った。
すると島原さんが何か知っているように復唱した。

『島原さん知ってるの？』

島原｢えぇ。1960年代の終わり、
サンフランシスコなどで若いカップルを中心に
殺害を繰り返し、警察やマスコミに
犯行声明文を送り届けたことから、
劇場型犯罪のはしりと言われている｣

山崎｢銃も脅すだけに使って、
殺害は両刃のナイフを使った」

犯人が着けていたこの四角い黒い頭巾も
ゾディアックの真似という訳だ。

今回の犯行は、1969年9月27日に
ゾディアックが実際に行った殺害方法と同じ。

伏見｢テッドバンディの次はゾディアックか…」

小牧｢なんか最近模倣犯多くない？」

『ちょっと変だよね』

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