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長篠さんたち捜査員が何かを調べだした。
部屋中に響くタイピングの音。
｢石川町方面終了｣
｢元町・中華街方面終了｣
島原｢不審車両及び不審人物は？」
長篠｢今のところ見当たりません」
島原｢捜索範囲を5km圏内まで広げて」
｢｢はい｣｣
なんか大変そう。
私と要くんは不思議そうにそれを見つめる。
そして痺れを切らした要くんは
長篠さんに話しかけた。
小牧｢あのー｣
『えっと、長篠さん』
小牧｢長篠さん、
何を基準に犯人を探してるんですか？」
長篠｢不審者及び不審車両を中心に、
現場の公園を出入りした人物と車両を、
全て虱潰しでチェックします｣
小牧「んー…虱潰しって」
『効率悪いな…』
大変そうだけど
手掛かりがないから仕方ないのかな。
小牧｢犯人が逃げ込むのってー、
車とか人通りが多い所じゃないんですか？」
長篠｢現場は駅が近くてどこも人通りが多いんです』
小牧｢いやだからー、本木通りなら
首都高に出られるし、
最短ルートで遠くまで逃げられません？」
長篠さんは確かに、といった表情で少し悔しそう。
要くんはいつもズバズバ正しいことを言うからね。
小牧｢効率よくね？
無駄ってやる気と体力を奪うんで」
少し見下した感じで言うと
響介さんたちが戻ってきたようだ。
伏見｢小牧、紅羽、いいか？」
小牧｢はーい」
『私も？』
小牧｢じゃ、よろしくです。行こー紅羽ちゃん」
そう言ってノートパソコンを片手で持って
私の手を引きながら別の部屋に入って行こうとする。
長篠｢なんなのアイツ…｣
長篠さんは悔しそうに呟いていた。
虱潰しかぁ…。
『…ちょっと先行ってて』
小牧｢えー｣
要くんには先に行ってもらい、
私は長篠さんのところへ戻る。
『戻ったらそれ手伝いましょうか？』
長篠｢え？｣
『虱潰しなんて効率悪いけど、
人手が少ない上に記録したことを
覚えていられないようなら余計に無駄。』
確かに虱潰しは無駄が多いし面倒だ。
でもそれが近道になることもあるし、
それしか手段がないなら仕方ない。
記録したことを覚えておくことも重要だ。
私もそれなら力になれるはず。
『要くんも悪気はないから。じゃよろしくです』
そう言って小走りで要くんの後を追った。
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作者名：らぎ
| 作成日時：2021年2月16日 17時
