形だけでも［完結］ (ページ17)

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とっくに愛してたページ17

先生の話を聞いた。

先生も苦しんでいたんだと知った。

北斗｢ごめん俺、朝霧のこと利用してた｣

『そんな…私も、利用してたし…』

そんなことを言ってお互いに謝った。
すると先生はまた、私の首元を触る。

北斗｢ねぇ、何があった？いつもより、首…酷い｣

私は昨日されたことを話した。

『引いた？』

北斗｢今更引かねぇわ｣

そうやって笑う先生を見て、
なんだかいつもの調子に戻った気がした。

『先生、私、先生が既婚者でも別にいいって思ってた』

だって、先生は私に愛をくれるから。

『形だけでも愛されたかったの』

母もいない、父もあんなので、私はまともに恋愛も出来るはずもなく、愛されることを知らなかった。

松村｢何か勘違いしてない？｣

『え？』

松村｢形だけってなに。俺とっくに…｣

その先は聞いたらいけない気がした。
望んでいたはずなのに。
聞いたら、決意が揺らいでしまう気がして。

『…まって』

北斗｢ごめん待たない。俺は、｣

『やめて』

北斗｢とっくに結月のこと愛してるよ｣

『…っ』

奥さんいるくせに。
始まり方、最低だったのに。

北斗｢色々順番おかしいけど…俺は本気｣

『せんせ…っ、』

だめだ、こんなの。
そう思っていたけど。

感情は誤魔化せない。

『私のこと…っ、綺麗にして』

そのまま2人の体はベッドに沈んでいった。