形だけでも［完結］ (ページ14)

今日:5 hit、昨日:7 hit、合計:111,566 hit

いつもと違うページ14

家に帰ってもいつもと同じこと。

のはずだった。

でも今日は父の機嫌が悪いみたいだ。

酒を浴びるように飲んで、私に跨る父。

いつも以上に激しいその行為はなかなか終わらない。

首を締められて、

快感に浸るのは父だけ。

あぁ、早く終われ。
早く終われ。

そんなことを思いながら目を閉じて耐えた。

考えたのは、松村先生のこと。

今奥さんといるのかな。
奥さんにも、あの優しい顔してるのかな。

私とするときの少し余裕のない顔も、
奥さんには見せてるのかな。

なんでこんな時にそんなこと考えちゃったんだろう。

私の中から父がいなくなったのを感じた。
それと同時に父に頬を叩かれて目を開ける。

父｢お前たまには鳴けよ｣

『…え』

父｢どいつもこいつも俺の事馬鹿にしやがって！！｣

『ぁ、やだ！やだ！』

薄い膜を隔てずに繰り返される律動。

これはさすがにまずい。

嫌だと抵抗する私に満足気な顔の父は、
己の望むままに欲を吐き出し続けた。

事が終わると直ぐにお風呂へ入った。

次の日は学校を休んで、ずっと部屋に籠って蹲った。

妊娠したらどうしよう。

またやられたらどうしよう。

感じたことの無い恐怖。
首も痛い。
殺されるかと思った。

…いや、いっその事あのまま死んだ方が良かった。

なんで私は生きてるんだろう。

松村先生にも母にも捨てられて、

父にもこんな扱いされて、

どうせ友達も上辺だけ。

本当のことを知ったらいなくなるに決まってる。

生きる意味なんて無いじゃないか。

前は死ぬのが怖かった。
でも今は生きていることの方が怖い。

でもどうせ死ぬなら

そう思って久しぶりに松村先生にLINEを送った。

【もう辛い。限界。】

既読が付いたかはわからない。
そのあとすぐ眠ってしまったから。