松村くんの入学式 ページ7
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｢新入生ですかぁ？｣
｢かっこいいですね！良かったらこれどうぞ〜｣
有名な教育大学のくせに、案外チャラい。
入学式で抱いたのはそんな感想だった。
偏差値が高い高校ほど自由度が高いのと同じで
大学でも偏差値が高いほどチャラいのだろうか。
よく分からないけど正直言って迷惑だ。
『はぁ…』
サークルの勧誘という名の逆ナンを躱しつつ
足早に校門を出たため、
その日は俺は友達が出来なかった。
その日の電話で
Aにも友達が出来なかったって聞いた。
でも樹と目黒と同じ大学で、
近くのカフェで京本と会ったってさ。
羨ましい。
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翌日、門の近くで俺の前を歩いている男子が
ハンカチを落とした。
俺は割と人見知りだから
本当は話しかけたくなかった。
でも俺はそれを見て見ぬふり出来るほど
冷たくはない。
『あの〜』
｢…はい？｣
勇気を振り絞って肩を叩いて声をかけると、
振り向いた男はいかにもインテリって感じだった。
『これ、落としましたよ』
｢あ！ありがとうございます！｣
ハンカチを見せると、アイドルのような
笑顔を見せて喜んでくれた彼も新入生らしい。
｢俺、阿部亮平って言います｣
『松村北斗です』
｢北斗って呼んでいい？
俺のことは阿部ちゃんとかでいいよ！｣
意外とコミュ力の高い阿部く…阿部ちゃん。
俺は入学2日目で友達が出来た。
と言っても阿部ちゃんは理科の先生を目指している。
俺は国語の先生。
文系と理系で違う。
でも同じ夢をもつ者同士だから話は合った。
それに阿部ちゃんは可愛い顔をして結構毒を吐く。
周囲に騒がれていた俺たちだったけど
阿部ちゃんのおかげで割と生活しやすかった。
結構素でいられて、
阿部ちゃんと話すのは面白い。
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でも家に帰ると考えるのは
やっぱりAのこと。
Aは上手くやってるのかな。
どうせモテてるんだろうな。
今の生活は楽しいけれど、
やっぱり隣にAがいないと寂しい。
『樹も目黒もいるんだよな…』
一人暮らしの部屋で独り言をぽつり。
2人ともイケメンだし優しいし、
Aのこととられちゃうんじゃないかな。
大学で友達ができたら
俺よりもそっち優先しちゃうのかな。
『遠距離つら…』
Aの前ではもう弱音は吐きたくないけどね。
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ragi(プロフ) - momoさん» ありがとうございます！阿部ちゃん気象予報士の資格あるし、メンカラ緑だし理科っぽいかな〜って思って！笑 (2021年4月7日 19時) (
レス) id: 34421714a1 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - やっぱ、このお話好きですw阿部ちゃんが出てきて、数学の先生じゃなかったことにびっくりしましたwこれからのお話も楽しみにしてます！ (2021年4月4日 9時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ragi
| 作成日時：2021年4月3日 18時
