Bottle gourd【レッドアイズ監視捜査班】② (ページ26)

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悠香｢でもプログラミングは違う。正解を導き出せば
必ず思い通りに動いてくれる…あの時は先輩の言ってること全然分からなかったけど、でも今ならわかります｣

″ハッキングだけが全てを信じられる
生きてるって実感できる″

悠香｢…石山先輩には分からないですよね、
天才だから、恵まれてるから、
私の辛さなんてわかんないでしょ？！｣

突然、矛先は私へ向いた。
私が天才…？恵まれてる…？

悠香｢ずっと目障りだった。
要先輩が話す人は私だけでよかったのに、
あんたが居るのが気に入らなかった！！｣

だからあわよくば私を消そうと、
この事件に巻き込んだのか。

『悠香さんに嫌われてるのは分かってたよ。
だって昔から、
小牧さんと話してたら絶対睨んでくるんだもん』

私に憧れてるとか言ってたけど、
それは小牧さんに近づくための単なる口実。

確かに私は恵まれていたかもしれない。
悠香さんにとっては邪魔者だったかもしれない。

でも…

『苦労してたのはあなただけじゃない。
私だって苦労してきたし、
小牧さんと一緒に居たいと思ってたんだよ』

そして今、
やっと一緒にいる時間を手に入れたんだ。

『被害者ヅラしてんなよ』

私がそう言うと、悠香さんは肩をビクつかせた。

この話はKSBCの皆にも聞かれているのだろうか。
なんか恥ずかしい。

悠香｢要先輩…私と一緒に仕事しませんか？｣

強盗なんかじゃなくても、小牧さんとなら
幾らでも簡単に大金が手に入るからと、
泣きながら縋る悠香さん。

『は？だめ、』

悠香｢うるさい！！｣

悠香さんはナイフを私に向けた。

しかし小牧さんは、悠香さんの腕を掴んで
彼女を拒絶した。

小牧｢ごめん、僕ももうあの頃の僕じゃないんだ｣

悠香｢なんで…？｣

小牧｢ある人達に会って変わった｣

小牧さんは、伏見さんと出会って
自分が変わったことを話した。

別に適当にあしらっていただけなのに、
出所してからも伏見さんは自分を気にかけて
探偵事務所に誘ってくれたと。

自分の力を必要としてくれたって。

小牧｢誰かから必要とされるって
…案外嬉しいって思った｣

そして私の方を見た。

小牧｢あと石山さん｣

『え…？』

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