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そこで通信指令センターからの指令が鳴り響いた。
《神奈川本部から各局、
平沼署管内にて爆発事案発生》
私は急いでモニタールームへ戻る。
｢現場は横浜市中区 大岡川沿い遊歩道。
救急車があと5分で到着予定です｣
長篠｢現場付近に″1台″の監視カメラを確認。
事件発生時の映像を出します｣
モニターに監視カメラの映像が映し出された。
映されたのは、野球帽を被ったマスク姿の男が、
別の男性に爆弾の入った鞄を手渡している様子。
しばらくすると鞄が爆発し、映像が途切れた。
長篠｢…っ｣
『長篠さん…？』
確かに爆発は突然だったし驚いたけど…。
様子がおかしい気がする。
島原｢野球帽の男がマル容ね。顔認証は｣
｢帽子とマスクでできません｣
その言葉にどこかほっとしたような長篠さん。
でも今は気にしていられない。
被害者の身元を調べる。
『あ、マル害の身元が判明しました』
神奈川県警捜査一課の宇土豊刑事。
伏見｢刑事？｣
島原｢他に情報は？｣
『ありません…』
私に続いて口々にありませんと言う中、
少し遅れて長篠さんがありませんと言った。
長篠さん、何か見てた。
一体何を隠したんだ…？
私が聞こうと思った時、またアラートが鳴った。
《神奈川本部から各局。
三ツ沢署管内にて爆発事案発生》
伏見｢別の事件？｣
現場は三ツ沢署の駐輪場。
男性がある自転車の籠の覗き込むと、
その中に入っていた荷物が爆発した
『マル害は、三ツ沢署刑事一課の堅志田守刑事です』
伏見｢また刑事…｣
どうやら同じ手口のようだ。
同一犯の可能性が高い。
チラリと長篠さんの方を見ると、
明らかに動揺している。
すると小牧さんがスマホをポケットから取り出した。
こんなときに誰かから連絡だろうか。
じっと見ていると
小牧｢石山さん｣
椅子を寄せ、小さな声で話しかけてきた小牧さん。
机の下で文字の打ち込まれた画面を見せてきた。
″長篠さんが怪しいみたい。ちょっと協力して″
小牧さんは伏見さんに目をやった。
私もそちらを見ると、伏見さんと目が合う。
伏見さんが頷いたので、私も頷いた。
伏見さんも違和感を感じていたなんて
さすが、鋭いな。
私と小牧さんは長篠さんを見つめた。
長篠さん、何を隠してる？
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作者名：らぎ
| 作成日時：2021年3月5日 14時
