114.好きだよなんて言えたら ページ14
DN side
DN「【ねぇ】」
「【ん？】」
DN「【…会いたい】」
「【また急だね？ついさっきまで月の話してたのに】」
DN「【寂しくて電話かけたのに、声聞いたら余計に寂しくなっちゃった】」
「【んー、しばらくはまとまった休みないからなぁ…】」
DN「【今すぐ会いたい、離れたくないよ】」
「【だいぶクサいセリフ言うんだね】」
DN「【本心だよ】」
「【んー、そっかぁ…でも行くとしたら来月かなぁ】」
DN「【無理。そんな待てない】」
「【我儘だなぁ】」
声を聞いてたら、なんだか余計に会いたくなってきてしまった
あぁ、もうどうしてくれるんだよ
これ以上君のことで頭を支配したくないのに
DN「【…前まではすぐ会えたのに】」
「【前までって言っても小さい時でしょ？】」
DN「【あの頃はずっと一緒にいれたのに】」
「【小さい時はほぼ韓国に住んでるみたいな状態だったからね】」
DN「【Aが僕の傍を離れていくせいで、今じゃたまにしか会えない】」
「【離れるって言っても、日本と韓国なんてすぐ近くだよ？】」
DN「【でもたまにしか会えないじゃん】」
「【…それ言われたら言い返せないなぁ】」
ずっと手を繋いで一緒に歩いてきたのに、Aが僕の手を離して遠くへ行ってしまうせいで
僕がどれだけ辛い思いをしたか
寂しくて、辛くて、恋しくて堪らなかったんだよ？
そんな僕の手が届かない土地で男を作ってたなんて聞いた時は、本当に気が狂いそうだったよ
まぁ、君はそんな僕の気持ち、知る由もないんだろうけどね
「【……あ、結構話しちゃった。明日早いからそろそろ切るね】」
DN「【うん……あ、まって】」
「【ん？】」
DN「【…………やっぱなんでもない。おやすみ】」
「【ん、おやすみ】」
恋だとか、そんな一言で片付けられるような感情じゃなくて
25年間、その気持ちは薄れていくどころかどんどん増していくんだ
でも君は、そんな僕の気持ちに気づくことはないんだろうな
"
喉元まで出かかった言葉を飲み込んで、スマホを置いた
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作者名：らふちゃ | 作成日時：2024年3月20日 10時
