113.25年という月日 ページ13
DN side
出会って25年
短いような長いような25年間で数々の思い出を作ってきた
そんな25年間、いつからなのかと言われたらよくわからない
ただ、気づいた頃にはとてつもなく愛おしく、大切な存在になっていた
もちろん今でもそれは変わっていない
だって、
「…여보세요？」
電話口から聞こえる君の一言で、こんなにも胸が高鳴るんだから
「【何かあったの？】」
DN「【……用がなきゃ電話しちゃだめ？】」
「【いやぁ、そういうわけじゃないけどさ】」
DN「【じゃあいいじゃん】」
そう言うと、うーん、まぁと締まりの悪い返事をするA
DN「【Aの声、聞きたかったんだよ】」
「【私の声？そんなん聞いてどうすんの？】」
DN「【落ち着くんだよ】」
「【私なんかの声が？】」
DN「【うん】」
「【だいぶ変わってるね】」
DN「【そう？】」
「【うん】」
Aは'私なんかの声'なんて言うけど、その声にはどれだけのパワーがあることか
Aの声には今までどれだけ助けられてきたことか、たぶんこの子ははこの先、一生知ることはないだろう
「……………はっ、！くしゅん！！」
DN「【寒いの？】」
「【あぁ、外だからね】」
DN「【は？外にいるの？】」
「【ベランダだよ】」
DN「【なにしてんの。風邪引くから早く中入って】」
へいへい、なんて腑抜けた声が聞こえた後、ガラガラと扉を開ける音がした
DN「【なんでベランダにいたの？】」
あまり外に出るのを好まないAがわざわざベランダにいるのは珍しいことで、理由がとても気になる
ただ、その理由は自分が思っていたより簡単な理由だった
「【月が綺麗だったから、かな？】」
DN「【なにそれ笑】」
「【…んー、いつもなら全然そんなこと思わないんだけどさ。なんでか今日だけ気になったんだよね】」
DN「【珍しいね】」
「【ね。自分でも思った。】」
夜空なんて滅多に見ないAがそう言うなんて、よっぽど綺麗だったのか、本当に偶然だったのかわからないが珍しいこともあるもんだな
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作者名：らふちゃ | 作成日時：2024年3月20日 10時
