35話 ページ39
「失礼します」
ノックの後に、ドアを開く。
久しぶりに来たドフラミンゴの部屋は豪華なわりにどこか空虚に感じた。
「よく来たな」
「ええ。話は何？」
この人も前になるといつもの声が出せなくなる。
光源が窓から漏れる月明かりと数本の蝋燭だけであるこの部屋は、かろうじて相手がどこにいるか把握できるだけ。
戸を閉め、ドフラミンゴへと歩みを進める。
「よく似合っている」
そういって、顔の横に手を添える。
「嫌味ですよね、知ってます」
そうはねかえし、手を下ろさせた。
今、私が身につけているのは黒のワンピース。
背中と首筋が大きく切れ込んだデザインのそれは、胸があまり発達していないお子ちゃまな私にはぜんぜん似合わない。
それよりも、ドフラミンゴが私に手を出すことは初めてだ。
いつも少しはなれたところから見下ろされることばっかで、同じ位置にたったことがない。
危険事態だというのに気がつけば腰をがっちりホールドされていて逃げることができない。
無表情。無表情を貫くんだ私。
下手に顔を赤くしてみろ。頬を桃色に染めてみろ。
相手を調子に乗らすだけだ。
下あごに手を乗せ、上へ向かせる。
つう、と長い指が唇を撫でた。
ああもう、相手は四十代だ何を照れることがある！！
そう自分に言い聞かせても、顔は赤くなる一方で。
「なあ、俺の女にならないか？」
「え・・・」
見上げれば、真顔だった。
いつもの不適に笑う叔父さんじゃない。
いやいや、俺の女って・・・。
ずっと敵視していた相手なだけに、反応に困る。
うまく言葉が出ない私に、ドフラミンゴが微笑んだ。
「悪かったな、変な話をして。今日はもう遅い、寝ろ」
「や、でも、」
「なんだ？俺と寝るなら、きょうは眠れねえけどな？」
「も、戻ります！！おやすみなさい！」
腰に当てていた手はとっくに離されていたようで、赤くなった頬を隠し慌ててこの部屋を出た。
「・・・」
あーもう恥ずかしい！！
なんなのあれ！！
真顔だったし、あれは冗談じゃなく本気でそう思ってるってことなの・・・？
あのドフラミンゴが！？
地面を引きずる長いすそに引っかかりながら、なんとか自室のドアノブに触れた。
「A・・・」
その背後を、悲しそうに見つめる人がいるなんて気付かずに。
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お布団 - 更新待ってます！！私なら姫ってやつが私サボくんとキスしたんだーって言われたら｢あ、そうなん？俺エース襲ったよ？｣っていうわw (2021年6月7日 21時) (
レス) id: 99e5f8b903 (このIDを非表示/違反報告)
ｾﾙｱ(プロフ) - もう更新されないのかなぁ(´;ω;) (2019年6月30日 22時) (レス) id: 4709443771 (このIDを非表示/違反報告)
かげりん - 更新してほしいです！！お願いします！！！！ (2018年7月4日 9時) (レス) id: 01dfe19ebe (このIDを非表示/違反報告)
ロイズ - こんにちは！！物凄く面白くてドキドキが止まりません〜！！これからも更新楽しみに待ってます！！ (2017年8月27日 17時) (レス) id: bc4de1aa37 (このIDを非表示/違反報告)
秋風 - 物凄く面白くて一気に読んじゃいました（*´∀｀*）更新楽しみにしております！！ (2016年10月26日 17時) (レス) id: 69188f6a4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ら・ふらんす | 作成日時：2015年8月24日 13時
