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味見を終え、先に沸かしておいたお風呂の様子を見に行こうと廊下に出る。
「あ、サボじゃん。今日はどうだった？エースに勝てた？」
「か、勝てた。Aが言ってくれたおかげだよ」
そういう割には、俯いてもごもごとしゃべるし、私と目を合わさない。
「ほんとに？顔上げてよ」
「わわっ」
ぐい、とあごを上げると、尋常じゃないくらい顔が赤い。耳まで赤くなってる。
「え、大丈夫？熱あるんじゃないの？それとも川に落ちた？」
今、気温は高いし川に落ちても風邪引かないと思うんだけどな。
「だ、大丈夫だって！！それよりカレーは？もうできたのか？」
「うん。あ、でもご飯が炊き上がってないから、ルフィたちと先にお風呂入っといてよ。」
「お、おう」
そう頷いてチラチラ私の足元を見るも、絶対に視線を交わさないサボ。
あの後、何かあったのかな。
「・・・どうしたの？」
「な、なんでもねぇ！！」
そう言って反対側へと全力で走り去ってしまった。
いったいどうしたものか。
とりあえず、ルフィに聞いてみよう。
「ルフィー今日何かあった？」
「今日はじめてエース二発殴れたぞ！！しかも連続で！！」
「へぇーすごいじゃん！成長したねぇ！」
すごいなぁ、エースを超える日も遅くないかもね。
なんて、膝に乗ったルフィの頭を撫でつつ褒めると、
「ちげぇ、わざと殴られてやったんだ」
「嘘だ！だってびっくりした顔してたじゃんか！！」
「大体お前が「熊がでた！」って背後を指差すからだろうが！！」
「でも当たったのは本当だ！」
「その後ボコボコにされたけどな」
「うっ・・・」
言葉に詰まるルフィの目元がじわりと滲む。
まだ泣き虫なルフィに助け舟を出す。
「そのへんにしときなよ、エース。それとも、ちっちゃいルフィに反撃されて悔しかった？」
「あんな弱っちい拳に殴られたところで痛くもかゆくもねぇ」
「ならいいじゃん」
「・・・チッうるせぇ。弱いくせに指図すんな」
「まったく可愛くないなールフィはこんなに可愛いのに」
「男が可愛くてもしょうがねェだろ！！」
むすっとした顔だけど、無視されてた最初に比べたら喋ってくれるだけだいぶまし。
「ところでさ、今日サボに何かあった？さっきから言動がおかしいんだけど・・・」
「絶対教えねぇ」
「はぁ！？いいじゃん何があったか気になるんだけど！！カレー少なめの刑に処すよ？」
「おかわりするからいい」
「じゃあよそってあげない」
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作者名：ら・ふらんす | 作成日時：2016年5月18日 12時
