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気がつくと、部屋にいた。
「・・・あれ、ここは？」
木で作られていて、所々シロアリにかじられている。
そして、鼻をさすお酒のにおい。
・・・本当にここはどこだろう。
体を起こすと、頭がくらくらした。
たしか、あいつらから子供達を助けて・・・背後から襲われた・・・。
殴られたであろう後頭部は、脳の内側から針を刺されたような痛みがする。
そっと手を当てると、ガーゼの感触がした。
意識のない私を介抱し手当てしてくれたなら、ここはあの子達の家・・・。
そんな事を考えていると、急に扉が開いた。
出てきたのは、シルクハットの男の子、サボだ。
「A、起きたか」
「A〜！よかったァ！！！」
続いて、ドアから泣き顔をのぞかせたルフィは、私を見るなりおなかに抱きついてきた。
心配してくれたんだ。
ぽろぽろとこぼれる涙が服にしみこむ。
少し嬉しくて、わしゃわしゃと柔らかい髪を撫でると、後から来たサボが布団の隣に座り、
「ルフィ。Aは怪我人なんだ、あんまり揺らすな」
と、お腹に抱きついてはなれないルフィをやんわりと引き剥がす。
「サボ。あの後、何があったの？」
「Aが残党に頭を殴られた。木の棒だけだっただろ？威力が弱くて、気を失ったフリをしていた奴がいたんだ」
「エースは先に帰ったから、俺とサボでやっつけたんだ！！」
「そうなんだ・・・」
弱くしすぎたかな。
木の棒とはいえ、力のあるものが持てばそれなりの凶器になる。
全く、調整が難しい。
「あんたかい、うちの馬鹿三人を助けたのは？」
扉から出てきた女の人が、じろりと私を睨む。
「はい、私ですけど。」
恐る恐る答えると、ふ、と息を吐き手を腰に当てる。
「あいつらなんて殺しても死なねぇクソガキ共だが、助けてくれた恩がある。
その傷が治るまで家で休んでくれ」
「はい、ありがとうございます！」
「そうきまったら飯だァ！！おめぇらさっさと用意しろォ！！！」
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作者名：ら・ふらんす | 作成日時：2016年5月18日 12時
