Sugar (ページ37)

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間違った関係 (Issei) ページ37

Mamehara side

豆原「今日何時までいられますか？」

「んー…もうそろそろ帰るかな。4時になりそうだし。保育園お迎え行かなきゃ。」

豆原「……もう少し一緒にいたいです」

「着替えてから行かなきゃだからさ」

顔色一つ変えずに言うAさんは、年が3つしか変わらないのにとても大人びて見える。いや、3つ'しか'じゃない。3つ'もだ。

俺がランドセルを背負っていた時、中学生になったAさんの横には学ランを着た男がいた。やっとの思いで小学校を卒業したと思えば、高校生になったAさんの横には俺が着ている学ランとは違う、ブレザーを着た男がいた。高校を卒業後、猛勉強の末どうにかAさんと同じ大学に通えたかと思えば

_____「一成くん！…私ね、結婚するんだ」

そんな言葉を聞かされた。

頬を赤らめながらそう言うAさんの顔が脳裏に張り付いて、どんなに頑張っても忘れることができない

小学3年生という、まだまだ幼すぎる年齢で

_____「Aさんのことが、すきです。けっこんしてください」

なんて言った俺の頭を撫でながら

_____「ふふっ、ありがとう。待ってるね。」

なんて言ったAさん

Aさんに追いつきたい一心で頑張ってきたのに、この仕打ち

川へと体を投げだしてしまおうかとも本気で考えた

でも、どうしてもAさんの顔が忘れられなくて

いっそのこと、嫌いになれたらどれだけ楽なことか、とも思った

「また旦那がいない時に来るからさ？そんな顔しないで？」

豆原「…いつでも、待ってますから」

「うん、じゃあね」

でも、もうこれでいいんだ

こんな関係、間違ってるなんてとっくにわかってる

どこで道を間違えたのかはわからない。もしかしたら、最初から間違えていたのかもしれない。

でも、体を重ねる時だけでも俺を見てくれれば、それでいい

その時だけでも、俺を愛してくれれば、それでいい

豆原「……………まってるって…いったのに、」

Aさんの匂いがついたシーツがどんどん染みていく

一度溢れたら止まらなくて、ダムが壊れたのかというくらい溢れて止まらない

ねぇ、Aさん

Aさんは知らないでしょ？

Aさんが帰った後、俺が泣いてることも

Aさんの匂いが染みついたシーツのせいで、苦しんでいることも