Sugar (ページ34)

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河野「………………………は、おま……え、？」

「その三女が、私」

あーあ、こんな話、初めて人にしたよ

こんな話、一生誰にもするつもりはなかった

酔っぱらってたからかな？それともそういう気分だったから？……それとも純喜だったからかな？ついつい言ってしまった

「…っえ、ちょっ、」

河野「…お前、辛かったよなっ！！」

まぁあんま気にしないでよ、と言おうとしたら急に首に腕が回されて、ぐいっと引っ張られそのまま抱きしめられた

「ちょ、あんた…ってか、なんで泣いて、」

河野「これからは我慢しやんで！いっぱい我儘言うてええんやで！辛かったら笑わんでええし！泣きたかったらなけばええ！」

「………っ、」

気付いたら頬が濡れていた

あぁ、久しぶりに泣いたな

最後に泣いたのは4才とかだっけ？もう昔すぎて覚えてないや

泣けばうるせぇと怒鳴られ殴られる

そのせいで昔から人の顔色ばっか疑って、泣くことさえ忘れてしまっていた

「……じゅ、じゅんきっ、」

河野「うん、おるよ。ずっと俺はおるから。好きなだけ泣き。」

ずっと孤独で、家族なんて形だけで本当の家族だなんて思ったことはなかったし、今まで信用できる人なんていなかった

人の温もりなんて知らぬまま、この先も人の温もりに触れずに生きていくもんだと思っていた

でもね、

河野「これからは、我慢せんで？」

河野「俺が全部受け止めたるから」

初めて私に人の温もりを教えてくれた

この人なら、信用してもいいかもって初めて思えたんだ