人の温もり (Junki) ページ31
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金曜の仕事終わり、いつもの居酒屋で純喜と飲んでいた時
「ねぇ、純喜」
河野「んー？」
「もしもの話、していい？」
河野「ええけど」
ジョッキ片手にそう言う純喜はまだ1杯目の3分の2も飲んでいないのにほろよい状態なのか、少しぼーっとしている
「例えば、7歳と6歳と3歳の姉妹がいたとしよう」
河野「おん」
「7歳の長女は年の割には大人びてて静かな子、それに反して6歳の次女は落ち着きがない子、3歳の三女は年相応の普通の子。そして、次女は落ち着きがなくて目が離せないような子で、そのせいで両親はいつも次女のことばかりだった。」
河野「おぉ、設定結構ちゃんとしてるんや」
「うん。ただ、両親は家を空けることが多くて家に大人がいなくなるのは心配だったから、家政婦を雇う事にしたの。」
河野「おん」
「そして両親がいないある日、本当になんでもない、いつも通りの日。帰ってきたら、次女がお腹から血を流して死んでたの。」
河野「おぉ、まさかの展開………」
「それで、その横には血のついたナイフを持って泣きじゃくってる長女がいたの。警察が長女に話を聞いたら、私が次女を殺しました、って。」
河野「じゃ、じゃあ、長女が次女を…？」
「両親は家を空けていて、家にいたのは長女、次女、三女、家政婦だけ。……次女のことを殺したのは誰だと思う？」
河野「え…まぁ、そりゃあ血ついたナイフ持ってた長女なんちゃう…？自分で殺したって言ってんやし。」
「長女は泣きじゃくってたんだよ？」
河野「うーん、それは、ほら、あれ、次女が死んじゃって悲しくて泣いてんちゃん？」
「でも長女は、年の割には大人びてて7歳だよ？」
河野「えぇー、じゃあわからん」
「正解聞く？」
河野「おん、聞く」
どんどん私の話に興味が出てきたのか、どんどん前のめりになってきている
「殺したのは長女なの」
河野「え、じゃあ俺正解やん」
「'殺した'のはね？」
河野「どゆこと？」
「たしかに次女を殺したのは長女。でも、もし、長女が次女を殺すように仕向けた人物がいたとしたら？」
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作者名：らふちゃ | 作成日時：2024年1月26日 13時
