Sugar (ページ3)

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そう言った瞬間泣きそうな顔をしてこっちを見る純喜

…泣きたいのはこっちだよ。

「…今まで10年間、楽しかったよ。ありがと。……大好きだった。ほんとに。」

「じゃあね。」

と言いながら赤になる寸前で走って信号を渡る。

驚いて固まっていた純喜は私のことを追いかけようとしていたけど、信号が赤になってしまったから止まっている。

河野「待って！！！A！！！ほんまに！！！！」

河野「俺がほんまに好きなのはAだけやから！！！！！」

反対側の道路から純喜の叫び声が聞こえたけど、無視してちょうど近くにいたタクシーを捕まえて乗り込む。

タクシーに乗ったあと電話がかかってきたけど着拒して、LINEもブロックした。

家に着いて、まとめておいた荷物を持って家を出ようとした瞬間、ドレッサーの上の写真が目に入った。

少し迷ったけどゴミ箱に入れた。

しばらくは友達の家に泊まらせてもらおうかななんて思いながら、部屋を出る

「今までありがと、ばいばい」

10年目の記念日にくれたお揃いの指輪にそう告げて、合鍵と一緒にポストに入れて家を出た

大好きだったよ、純喜。