天使は檻の中に【ブルーロック】

einundzwanzig ページ23

久遠渉の裏切りによって一気に劣勢になったチームZ


クソ野郎によってそれぞれの選手の得意なプレーや作戦がバレているのに加えて、11vs11でやるフットボールにおいて一人減ったのは凄く大きい


でもここで負けたら彼らのサッカーは終わり


これから先もサッカーをしていたいなら、世界一のストライカーになりたいなら

死ぬ気でこの試合を乗り切るしかない



彼らが生き残れるかどうかは、敵に自分のの武器がバレていない千切豹馬が鍵になる…と思う。



前に見た資料によると、彼の武器は50mを5秒77で走ることが出来る驚異のスピード

選ばれた者にしかない唯一無二の才能といえる


しかし、高校の試合で右膝の前十字靭帯を断裂するという怪我を負った

次にもう一度同じところを負傷すればサッカー選手として生きていくのは難しい…との事だ





そりゃあ怖いよ、自分に与えられた才能がなくなってしまうかもしれないのは…




いや

それ以上に、彼は今まで信じてきた自分が壊れてしまうのを恐れている。



信じるものがなくなってしまうなんて、そんなの誰だって怖いに決まってる




今の点数は4対3チームWが一歩リードしている感じだ


まだチームの混乱が治まっていないこの状況であと2点とって逆転勝利するのは多分無理

だとすると残された道は1点とって引き分けに持ち込むこと



そんでも最終戦に当たるのはこの塔最強集団、凪くん達チームVなんだけどねー



伊右衛門送人がギリギリのところでシュートを防ぐ


負けない為必死にボールを奪いに走り続けているせいで、結構息が上がってしまっている





千切豹馬の足が止まった


あーあ、私このチーム面白いし割と好きだったんだけどなぁ…

潔世一が上にあがってくるのも楽しみにしてたし



でもこの調子だと上がってくるのは久遠渉


次のステージで求められるのは武器の相乗効果、固有の武器を活かすことを考えないと生きていけない

偽物は淘汰される、きっと次のステージで落ちてしまうな…彼は




残された時間はアディショナルタイムの3分間、わずかな時間だ



「俺が決める！俺が！！」


おっと、暴走か…？


確かに

終わりたくないよなぁこんなところじゃ

負けたくないよな、裏切りなんかで



これからだって思ってたんだよね、自分のサッカーが始まるのは

仲間のために尽くすサッカーなんて楽しくないよね、ストライカーなんだもん






『 zeig mir(見せてみろ) BLUE LUCK』


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