idol×fan＝...？ (ページ21)

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「え？」

廉「そのままの意味、どっちを選ぶ？」

「んー、廉くんの事は好きだけど、ファンとして応援してるから彼氏の方を選びます」

悪気も無くそう告げられると胸が痛む。

俺はファンとして見てなくてもAちゃんからすると俺はアイドルでしかないんやな。

「あの、そろそろ帰らないと親も心配しちゃう…」

廉「もうこんな時間か、危ないし送るわ」

「いや、迷惑なので一人で帰ります」

廉「あかん、さっきみたいにからまれたらどうするん」

「...でも」

この子...
ご飯誘う時も思ったけど結構頑固やな

廉「俺は全然迷惑とかじゃないから送らせてよ」

「じゃあお言葉に甘えて...」

廉「よっしゃ！家どこらへん？」

家の場所を尋ね、店を出る支度をはじめる。
お会計を済ませ夜風が冷たい外へと出る。

こんな時間でも人に溢れる駅につき電車に乗り込むとAちゃんの家はもうすぐだ。

最寄り駅に着くと薄暗い道を進む。

「あ、ここです」

もうついたんか...
幸せな時間はすぐ経つってほんまやねんな

「今日はありがとうございました」

廉「こちらこそありがとうな

助けてあげたお礼として連絡先教えてくれへん?」

「お礼？そんなのでいいんですか？」

ポケットからスマホを取り出し、LINEを追加する。
表示されたプロフィール画像は俺のコンサート会場の前でピースするAちゃん

素直に可愛いって思った。

廉「ありがとう、またLINEするな」

「はい！いつでもどうぞ、それじゃあさようなら」

廉「うん、またね」

手を振りながら家の中へ入っていくAちゃんを見つめる。

顔と学校しか知らなかったのに、名前も連絡先も知ることができた。
それが嬉しくて浮かれ気分で自宅へと足を進めた。

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