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いつも通り冷ややかな目線を浴びながら通学路を歩くが、いつもと違うことがひとつある。
心が軽い。
高校からは男女別々になるため、雄登とは違う校舎だが、
私はもう独りじゃない。
その事実に心が温まる。
学校に着いてからも頻繁にLINEを送ってくれた。
次の授業国語だってー眠い。とか、今日のお昼はハンバーグだったとか、
当たり障りのないメッセージが嬉しい。
そのおかげで、今日は学校が終わるのが早く感じた。
もっと雄登にふさわしい女の子になりたい。
そう思い渋谷まで化粧品を買いにきた。
平日だというのに相変わらずそこは人で溢れている。
適当なドラックストアに入り
キラキラと輝くコスメと睨めっこ。
このラメ可愛いけど、雄登は嫌いそうだな...。とか慎重になりすぎてなかなか決まらない。
手当り次第、テスターを試しようやく買い物が終わった。
外に出るともう既に日が沈みかけていた。
どれだけ買い物に時間かかってるのか、と少し前の自分に喝を入れながらも、街をぶらぶらする。
「ねぇ、お姉さん頭良いの？俺らに勉強教えてよ」
なに...この人達...。
ニヤニヤしてて気持ち悪い。絶対普通の勉強する気じゃないでしょ。
チャラチャラとした男子高校生達に嫌悪感が募る。
「ごめんなさい、急いでるの」
「そんな事言わずにさー、ちょっとぐらいいいじゃーん」
「ちょっと、離してっ」
強引に肩を組まれる。
人通りは多いのに誰も助けてくれない。
こういうときは都会が嫌になる。
気づいたら、人目のつかない路地に連れていかれてた。
「やだっ...」
「頭良いのにビッチそうな顔してるじゃん」
それとこれは関係あるのか。
こんな状況なのに冷静にツッコんでしまう自分が嫌になる。
いくらアホそうな男でも5人も居たら逃げる事なんて不可能に近い。
恐怖で視界が滲んでくる。
ゆうと...助けて...。
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「......おい、離せよ」
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作者名：藍珠 | 作成日時：2018年4月13日 23時
