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＿＿＿これはまだ俺がジャニーズに入る前の話。
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俺はひとつ上の野球部のマネージャーと付き合っている。
姉御肌で後輩から慕われているような人だ。
そんなAが俺の前だけでは、隙を見せ甘えてくれる。
告白はAからだったが、すっかり虜になっていた。
雄登「今日の放課後デートしない？」
「あ、ごめん、今日は少クラがあるから帰らないと」
俺とってAは全てだった。でもAは違った。
ジャニーズJrの永瀬廉。
Aはその人のファンだった。
アイドルと言えど、一人の男。俺よりもそいつを優先されると内心腹が立つが、趣味を制限する権限なんて俺にはない。
雄登「じゃあ俺の家で一緒に見ようよ」
「それならいいよ」
ほんとは一緒になんか見たくない。テレビに夢中で俺のことなんて一切見てくれないのがわかってるから。
それでも一緒にいたいと思わせるAは重罪だ。
予鈴がなった。学年の違う俺達はすぐに自分たちの教室へ向かわなくてはならない。
「じゃあね、放課後楽しみにしてる」
雄登「うん、それじゃまた」
手を振りながら去っていく、A。
あまりにも、笑顔が眩しくて残りの授業に集中出来そうにない...。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「雄登！おまたせ」
雄登「じゃあ行こうか」
案の定、授業に全然集中できずに放課後がやってきた。
俺の家へと足を進めていると、ギュッと手が握られる。
雄登「え？」
「えへへー、恋人繋ぎ」
嬉しそうに繋がれた手を見せてくる。
まだ学校から遠くないから、知っておる顔たちがからかうような目で見てくる。
雄登「...A、恥ずかしいからやめよう」
「なんでよ、雄登は私と手繋ぎたくないの？」
雄登「そんなことはないけど…」
「じゃあいいじゃん」
雄登「んー...せめてもうちょっと学校から離れてからにしよ？」
「いや！」
そう言って俺の手を引きながらズンズン進んでいくA。
あぁー...
機嫌損ねちゃったかな？
Aはいつもストレートで大胆な愛情表現をしてくる。
たしかにそれは嬉しいけど、人目を気にする俺には少々ハードルが高い。
早歩きのせいか、同じ制服の人たち見当たらなくなってきた。
この坂を越えたらもうすぐ俺の家へと着く。
それまでにAの機嫌が直るといいな...
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作者名：藍珠 | 作成日時：2018年4月13日 23時
