佰肆拾捌 ページ2
薫「まだ帰ってこないのかしら2人とも…」
同日の昼間
神谷道場の前でうろうろしている薫を見て、弥彦はわざとらしく溜息を吐いた。
弥彦「あの2人なんだからお前が心配しなくたって大丈夫だって!」
薫「そんな事言ったって…2人ともまだ怪我が完璧に治ってないわ。」
弥彦「怪我なんかでへばる奴らじゃねえよ。そんなことより稽古しようぜ。」
薫「うーん、もうちょっと。」
弥彦「はぁぁ…」
粘り強い薫にとうとう弥彦が折れた。
***
薄暗くなった空を見上げ、そろそろ中に入ろうかと思い立ったその時。
『かおるさーーーーーーーーーん!!!!』
通りの奥からすっかり懐かしく思えるようになった声が聞こえた。
薫「!蓮さん!それに、剣心!!」
剣心「遅くなってすまぬでござるよ!」
綺麗な黒髪を揺らし、大きく手を振るA。
優しい表情で、同じくこちらに手を振る剣心。
2人とも、無事そうだ。
それが凄く嬉しくて、目頭が熱くなるのを抑えるのに必死だった。
薫「剣心!蓮さん!おかえりなさいっ!!」
駆け寄って抱きついてくるAを受け止め、同じく抱きしめる。
『薫さん、遅くなってごめん。』
薫「ううん、いいのよそんなこと。それより…」
剣心「目はこの通り、すっかり治ったでござる。おかげで蓮もはしゃぎっぱなしでござるよ。」
『うるさいなあ、お前だって喜んでただろ』
剣心「お前ほどではないでござる。」
薫「まあまあ、とりあえず中に入りましょう!」
相変わらずの二人に呆れながら、それでも、ようやく賑やかになった幸せを密かに噛み締めていた薫であった。
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夏目夏樹(プロフ) - 心温まりました (2021年5月2日 1時) (レス) id: 870a62657e (このIDを非表示/違反報告)
緋月。緋月の館(プロフ) - 物凄く面白かったです… 貴方の小説すべて面白いですね… 今るろ剣小説少ないのでありがたいです(泣) 次の小説待ってます!!大好きです!←おい (2020年6月24日 20時) (レス) id: e8a2d305fe (このIDを非表示/違反報告)
RUKA(プロフ) - 完結おめでとうございます。次の小説も楽しみにして待ってます。 (2018年9月17日 6時) (レス) id: 4d427bee4c (このIDを非表示/違反報告)
羽衣石 紫(プロフ) - この小説、キャラとの関わりなどが面白くてすっごく大好きです! お忙しいとは思いますが更新頑張って下さい^^* 応援してます! (2018年5月24日 0時) (レス) id: 913f89f30c (このIDを非表示/違反報告)
柚姫 - 皆様読んでいただいてありがとうございます!!遅い更新になってしまいますが精一杯頑張りますのでよろしくお願いします (2018年5月4日 1時) (レス) id: aacb1a7426 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2017年9月24日 0時