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Aは、何が起こったのかわからないような顔だった。
俺自身も何で自分がこんな事をしているのか、わからなかった。
ただ、Aの話を聞いていたら居てもたってもいられなかった。
空港連れて行っても、さっきみたいな笑って喜んでくれない事はわかってる。
でもずっとソワソワしていた気持ちが真っ白になって何も考えられなくなったんだ。
だから、手を取って立ち上がっていた。
ki「…行こう。」
「えっ？どこへ？まだ食べ終わってもないよ？」
ki「……空港。」
「え？！空港？！」
「なんで？なになに？有名人でもくるの？」
「あっもしかして旅行にこのまま連れてってくれるとか？？うそー！サプライズすぎ！」
あははと笑うA。
Aの手を掴んでる方に力が入る。
ki「…け…」
「け？」
ki「結婚…」
「はぁ？結婚？あたしら？」
「にに、気が早いよ！」
またあははと笑ってるA。
心臓の音が早く重くなる。
「…ル…ルハンさん…」
「………え？」
ki「結婚すんだよ…」
「…るぅ…け、けっこん…？」
「るぅが、えっ？なに…？」
ki「ルハンさん結婚すんだよ。」
「ちょっと…ニニ？」
笑っていたAの顔が一瞬にして強張る。
眉の間にしわを作り、かなり困惑している。
「何…？何言って…んの…？」
「あはは、まじで意味わかんないんだけど。」
ki「今日18時の便で中国に発つって…今から行けば間に合うから…」
ki「ずっと、黙っててごめん。」
ki「俺、自分の事しか考えれなくって、隠したかった訳じゃないんだ…」
ki「でも、ずっと言えなくて…本当にごめん。」
「…ちょっとちょっとー！ハハッ、なにその冗談。やめてよ！」
ki「冗談なんかじゃない！」
つい声を荒げてしまった。
ビクッとなるAの肩。
目線を俺から下に落とした。
ki「最近帰って来ねーんだろ？」
「…」
ki「もう二度と帰って来なくなるんだよ」
ki「二度とお前んとこに帰ってこねーんだよ…」
「…」
ki「…行くぞ」
Aの全身の力が抜けるのが見ていてわかった。
放心状態のAを無理やり引っ張って、駐車場まで連れて行った。
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作者名：abzo | 作成日時：2014年12月18日 13時
