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ミンソクさんが呼びに行くとAはすぐに店から出てきた。
赤いダッフルコートにスキニーパンツにスニーカー。
いつもと変わらない服装。
俺は持ってる服の中で唯一綺麗なベージュのチェスターコートとレースアップシューズを履いてきたけど。
なんだかんだでオシャレしてきたわけだけど。
やはり意識されてないんだなと思った。
「迎えに来てくれてありがとー!」
ki「全然。行こう」
早速ミンソクさんに借りた車に乗り込む。
セフンに教えてもらった水族館は、江南にあって、Aの話を聞いていたらすぐに着いた。
運転中にミラー越しに見るA。
一緒に過ごせる事、助手席に座ってる事が嬉しくてこの前見た事を全然忘れそうになる。
ki「お前さ」
「んー？」
ki「いいの？」
「何が？」
ki「俺なんかとクリスマスイブ過ごして…てっきり、ルハンさんと過ごすもんだと…」
駐車場に車を停めた時に聞いてみた。
自分で自分を傷つけるようなことをして、俺はいつからマゾになったんだろう？
「クリスマスは彼氏と過ごすもんでしょー？」
彼氏と言われた時、ルハンさんと腕を組んでいたあの光景がフラッシュバックする。
「…最近るぅ帰ってきてないし店にも来ないしね。」
「少し前に店に来たと思ったら、ジョンイナのクリスマスプレゼント買いに行くぞ！って言い出して！二人で買いに行って、車で店まで送ってくれたら、すぐまたどっか行っちゃった。」
思わずAの方を見てしまった。
あの日、俺が見たのは、俺へのプレゼントを買いに行った帰りだったんだ…
困惑で思考が停止する。
「あ！だめじゃん！帰りに渡そうと思ってたのに言っちゃったじゃん！」
「はい！これあたしから！こっちはるぅから！開けてみて！」
戸惑っている俺に、シマシマの包装紙に包まれた二つのプレゼントを渡してきたA。
開けてみると、Aからはブルー系のチェックのマフラーで、ルハンさんからは黒色のニット帽だった。
つけてみて！と急かされ、着けてみる。
ki「ありがとう…暖かい。」
「よかった！」
ki「でもこんなの貰えると思ってなかったから何も準備してない…ごめん」
「いいよ、喜んで貰えてよかった！」
嬉しそうに笑うAの顔を直視出来ない。
俺は勝手に勘違いして凹んで逃げて。
すごく恥ずかしかった。
車を降りるとAは、
「お揃い！」
後ろめたい俺に赤いチェックのマフラーとニット帽を被った姿を誇らしげに見せてきた。
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作者名：abzo | 作成日時：2014年12月18日 13時
