好かれるあいつの秘密に (ページ2)

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忘れたふりなんてさせない　Part２ページ2

え「俺の事好きなんでしょ？」

『ち、違う…』

え「そんなに嫌なの？」

『エイジ君なんか…嫌いだよぉ…』

泣きながらAが言う

え「ほんとに嫌い？」

俺はAを膝から降ろして

覆いかぶさるようにソファーに手をつく

え「マジで言ってんの？」

『嫌い…』

え「泣いてるくせに。正直に言えよ」

『………今更…』

え「お前が好きな俺はどうしたらいいんだよ」

『そんな事、言われても……』

え「正直に言え、俺の事嫌い？」

Aはずっと口を噤んでいた

やがて小さく開いた

『………き』

え「え？」

『好き…//』

顔を逸らしてAが言う

え「ほんとに？」

Aが小さく頷く

我慢できなくなってキスを落とす

『ん、エイジ君…』

え「何？」

『あのね、ごめんね。多分、そら達が許してくれないよ』

え「大丈夫だよ、あいつらならわかってくれる」

『そっか……』

ああああああああってにー君が叫んだ

え「どうした」

『私、意志が弱いなぁって。すぐエイジ君に負けちゃう……』

え「そんな事ｗ俺としては全然いいんだけどｗ」

『怒られちゃうなぁ、また』

え「つーか、Aの事、ちゃんと教えてよ」

『引かない？』

え「は？当たり前じゃん」

『錦A。教授の孫。小、中、ふつーに過ごしてた。
男装するようになったのは高校の時、親友の女の子を…失ったから。
私は守れなかった…女だから…。
………当時の担任が、生徒に手、出してて、
女の子は迂闊に近づいちゃいけないって言われてた。
大事な人が……………何もできなくて……』

Aはぼたぼたと涙をこぼしながら、俺の目を見て話してくれる

『それから……男装するようになって…こうなってる』

俺は袖でAの涙を拭った

え「大丈夫だから、泣くな。お前は悪くないから」

『んっ、エイジ君…ありがとう…』

Aが目を細める

可愛くて、可愛くて仕方ない

キスをしようとしたとき、俺のスマホが鳴った

え「は？…っざけんな」

スマホを手に取ると〈そら〉の文字

え「何」

イライラしながら出る

そ「今どこにいんの」

え「にー君のとこだけど何」

そ「早く帰ってこい！」

え「お前どこいんだよ」

そ「大学だよ」

え「先に帰ってろ、みおかから何があったか聞け。
先に言うけど、ぜってーみおか責めんじゃねーぞ」

そ「はあ？意味わかんねーよ」

え「じゃあな」

一方的に通話を切った

え「A、行こうか」

『え？どこ？』

え「家だよ、行こう」