【黒バス×カゲプロ】片目だけに宿った能力を持った少年 2【男主】

34話 ページ5

貴「……落ち着いたか？」


カノの背中を撫でながら聞く


カノは小さく頷くと、俺から離れた


あれから数分

カノが泣き止むまで、ずっと抱きしめていた


今まで見た事が無いカノの表情には驚いた…けど

カノだって、人間だしなぁ…


貴「皆のトコ、行くか…」


カ「…うん」


カノはまた、何時もの様に努めて明るく振る舞う





その笑顔を見る度、苦しくなっていく





・





皆が居るであろうリビングの扉を開ける



…全員が、集まって居た


皆の視線が俺に向かっているのが分かる


貴「…どうした…？」


明らかに、皆が俺を見て安心した様に見えた


キ「…目が覚めたんだな」


キドは安堵の息を吐くと、その場に脱力した


セ「A…っ！

何処も辛くないっすか！？ちゃんと動けて…！」


キ「セト…落ち着け」


少し興奮気味のセトを宥めるキドが、俺に問う


キ「A…お前に、何かあったのか？

…見た限りでは、問題は無さそうだが…」


全く、意味が分からない


キドは真剣に聞いているんだろう

目を見れば分かる


でも、その真意が分からない


貴「ちょ、っと、待ってくれ……意味分かんねぇよ…

皆、何をそんなに心配してんだ…？」


キ「…っ、お前……そう、だな…

お前は分からないだろうな」


キドが意味深に答える


教えてくれる気はねぇってのか…？


シ「…おい、カノ」


今までずっと黙ってたシンタローが、急にカノに話しかける


カノの返事は無い


シ「お前…Aに教えてねぇのかよ」


教える？何を？


俺が混乱していると分かってか、話を進めるシンタロー


シ「…黙ってんなって、っ…」


カ「……教えて、無いよ？」


いつに無く笑顔のカノ


でも、分かる

震えているのが


きっと皆は気付いて無い


それきり、シンタローは黙ってしまった


キ「……A。

お前は……ずっと、眠ってた。




…一週間、ずっと」

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