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『ストーカーだなんて、人聞きが悪いなぁ。それにこれはAも望んでたでしょ?』
私の目から溢れる涙を親指で掬いとり、泣かないで、と頭を撫でる。
少し心地よく感じるのはなぜだろう。
「私が望んだって、いつ」
『この間家で友達と電話してる時言ってたでしょ?一生家で、愛してくれる人と暮らしたい。って』
『これはもう僕におねだりしてるようにしか聞こえなかったよ。直接言うのが恥ずかしかったんだね、可愛い。』
確かに、友人との電話でそんなことを言った気がする。
それをなぜこの人が知っているのかはわからない。というより考えたくなかった。
それにしても、おかしい。
この人は私を狂ったように愛している。
知らないうちに私が狂わせたのかもしれない。
『急に環境が変わったから驚いただけだよね。大丈夫だよ。この部屋には全てが揃ってるし、生活に不自由はしない。』
それと、と続けた。
『Aはいい子だからないと思うけど、逃げようなんて考えないでね。』
彼は立ち上がって、カーテンを開けた。
外は都会なのに建物全てが遠く小さく見えるのは、この部屋がとても高い位置にあるからだった。
綺麗なはずの夜景は、私の目には絶望としか映らなかった。
高すぎて逃げることができない。足枷が外れて窓を開けることができても、私の声は誰にも届かない。
彼が入ってくる時ドアが機械音を立てて開いたから、ドアにも鍵がかかっているのがわかった。
『俺がいる時は足枷は外してあげるからね。』
ようやく頬から手が離れ、足枷を外された。
私は逃げられないことを悟って、また泣いた。
『それとさ、あなたじゃなくてチャニとかオッパって呼んでよ。これからずっと一緒なんだから。』
愛おしそうに私の頭を撫でる手が心地よくて、私の中の何かが崩壊する音がした。
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FEARNOT兼STAY! - 全てを【HJ】を長めで見てみたいです! (12月11日 23時) (レス) id: 56046c8d59 (このIDを非表示/違反報告)
FfC3SZvtC310ffW(プロフ) - 復帰ありがとうございます!それぞれの続きがまた見たいです! (6月16日 23時) (レス) @page25 id: 0dcca36122 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - 復帰ありがとうございます!また投稿楽しみにしてます! (6月14日 20時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - ハンジソンのロリコン警察官とロリータ小学生のお話作って欲しいです!お願いします! (6月14日 20時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
FfC3SZvtC310ffW(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます!続きが楽しみです🤍 (2023年3月14日 0時) (レス) @page19 id: 0dcca36122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狗 | 作成日時:2023年2月15日 3時