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9.幼稚園の恐怖 ページ9

*




「あら、Aちゃん…………Aちゃん!?」

「ハルのお迎えに来ました。」

「え、えーっと後ろの子は…隆くんと……」

「さっきダチになったドラケンくんとマイキー。」




こめかみにドラゴンの刺青を入れた男と金髪の男。純新無垢な子ども達の集う幼稚園に訪れた異端児が約2名。

周りからの視線は痛々しい。



指をさす子供に「ダメよ指さしちゃ」「あんな子になるんじゃないわよ」「見ちゃダメ、早く帰りましょう」などと言った言葉が幼稚園に飛び交う。

園長先生に至っては驚きやら恐怖やらで慌てふためき立てなくなっていた。




「ちょっといらっしゃいAちゃん。」




ギョッとした先生はAの腕を掴んで隅の方でコソコソと話し始めた。内容は聞こえて来ないが気のいい話題ではないだろう。



「何でお前らも着いてきたんだよ。こうなる事は分かってたろ?」

「いいじゃん別に。ね、ケンチン。」

「おう。」



腫れ物を扱う様な、異端のものを恐れる様なこの空気も俺が初めてマナを幼稚園に送ってった時と重なる。

今では「見た目はアレだけど、面倒見もいいし礼儀正しいし良いお兄ちゃん」という評判を獲得できた。保護者、先生からの好感度は申し分ない。


その保護者、先生達の視線も何処吹く風のこの2人。



「__っておい、マイキー!勝手に動き回んなよ!」



無意識の内に出てしまった溜息に気付いて隣を見ればさっきまでいたマイキーの姿はなくて、親の迎えを待っているであろう子供達が遊んでる砂場に、あろう事か交ざろうとしている。

「ヒッ」と楽しげな表情から一変、見てはいけないものでも見たかのような声にならない恐怖が子供達に押し寄せている。



「おら、マイキー!!ガキがビビってんだろーがっ!!戻って来い!!!」



くわッとただでさえ厳つい顔を強ばらせてマイキーを怒鳴る。ドラケンのそれはこの幼稚園では逆効果。子供の恐怖を煽るのには十分でそこら中から子供の泣き声という名の大合唱が始まった。



「バカ、ドラケン。余計ビビらせてどうすんだよ。」

「あ?何が?」



それも無自覚なのだからタチが悪い。




「ドラケンくんがこども泣かしたー。」

「は?泣かしてねーよ!」




小さな姉にバツが悪そうに反論するドラケン。Aから数歩も数十歩も離れた位置でガクガクと震え今にも失神してしまいそうな園長先生。

その横で先程Aを連れてった先生が全てを諦めたかの様な顔をしていた。

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あう(プロフ) - 雪見大福さん» そうですね。心配してくれるって事はそれだけ自分の事を大切に思ってくれてるって事ですもんね。 (2021年8月3日 7時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 夢主ちゃん視点で自分の感情が動いてたので心配されるって…嬉しいですなって思いました (2021年8月2日 21時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - 紅さん» 更新を…ずっと待ってます…だと!?えー、嬉し(デレ)作品も気に入っていただけたようでありがたい限りです。頑張ります!頑張っちゃいますッ!! (2021年8月1日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
- この作品が好きです。更新ずっとまっています。応援してます。がんばってください (2021年8月1日 22時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - kanraiさん» ありがとうございます!とても励みになります!! (2021年7月30日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あう | 作成日時:2021年7月27日 17時

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