7.佐野万次郎くんとドラケンくん ページ7
*
「よぉ、三ツ谷。偶然だな。」
体の大きな頭にドラゴンの付いた中学生が三ツ谷隆くんに話しかける。本当はお友達じゃなくて、この人に弱みを握られてたりしてるのかな?
はたから見たらそんな光景にしか見えない。
「A、ほら。」
袋からハーゲンダッツと木でできたスプーンを私に渡した。このタイミングでわたしに話しかけて欲しくなかった。
「え、何この子…三ツ谷の知り合い?」
「おう、近所の子。」
「何かスゲーしかめっ面してっけど?」
ハーフアップの中学生がこちらにやって来る。「三ツ谷隆くん話しかけるタイミング今じゃない」って言ったら3人に笑われた。
「別に取って食おうなんて思ってねーよ。俺、佐野万次郎。マイキーって呼んで。よろしくな。」
「おにーさんは人を取って食った経験があるの?」
「は?」
だって「取って食おうなんて思ってねーよ」って言うってことはそういう事じゃん。言葉の比喩だよって言ってるけどよく分からない。ヒユ?
「あ、隣にいるのがケンチン。」
「龍宮寺堅だ。ドラケンって呼べ。」
防犯ブザーの音がひびく。
「もしもしサツですか?」
「なんの躊躇いもなく通報したぞ、この子。」
「ケンチンが声かけた瞬間だった。」
「警察のこと"サツ"って呼ぶ小学生がどこにいんだよ。」
「どうにかしろよー」と完全に他人ごとになってる佐野万次郎くん。キミのこともサツにお話するからね。
周りのおとながこっちをチラチラ見てる。
「小学生いじめてるのかしら〜」「いやね〜最近の子たちは〜」
ねぇ、おばさん。そこで話してないで助けに来てくれてもいいじゃん。
「あー、別に怖がらせるつもりは無かった。……おら、飴やるよ。」
「アメおいしい!ドラケンくんいいひと。大好き!!」
「スゲェ、一瞬で懐くじゃん。」
「何で俺はフルネームなのにドラケンはドラケンなんだよ。」
シットしてるの三ツ谷隆くん。わたしだって信用してる人のことはちゃんと名前もしくはニックネームで呼ぶよ?
そう言ったら「お前のそこの基準はどうなってんの?」って真顔で聞かれた。
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あう(プロフ) - 雪見大福さん» そうですね。心配してくれるって事はそれだけ自分の事を大切に思ってくれてるって事ですもんね。 (2021年8月3日 7時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 夢主ちゃん視点で自分の感情が動いてたので心配されるって…嬉しいですなって思いました (2021年8月2日 21時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - 紅さん» 更新を…ずっと待ってます…だと!?えー、嬉し(デレ)作品も気に入っていただけたようでありがたい限りです。頑張ります!頑張っちゃいますッ!! (2021年8月1日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - この作品が好きです。更新ずっとまっています。応援してます。がんばってください (2021年8月1日 22時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - kanraiさん» ありがとうございます!とても励みになります!! (2021年7月30日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あう | 作成日時:2021年7月27日 17時