33.リープ前2 ページ33
*
「は!?」
「声がデカいよ。」
「死んだっていつだ?」
「私が中学1年の時。」
淡々と告げられた事実。しかも妹が死んだのは数年前の出来事。パタンとパソコンを閉じたAと目が合った。どれだけ見た目が派手になろうとも、黒真珠の様に大きな目はあの頃のままだった。
「ハルを殺したのは、察しがつくかもしれないけど……」
「稀咲か?」
「御明答。まぁ、正確には違うけど。稀咲が裏でそう仕向けたのか、命令したのか……多分後者かな。」
「あいつはそういう男だかんね。」とメロンソーダを飲み干した。だが、Aの妹を殺す理由が分からない。あの子はAが裏社会に関わると同時に施設に引き渡したと、Aから聞いた。
どうして姉妹で別れたのか、なんて聞かなくても分かった。施設に引き渡されると知った時、ハルは泣き叫んだそうだ。
当時小学5年生だったハルが、人前で泣く事のなかった彼女がわんわん子供のように泣いたそうだ。
Aとハルの姉妹は傍から見ても仲の良い微笑ましい姉妹だった。それ故に2人がバラバラになるのは俺らとしても悲しいものがあった。
泣いて自分を呼ぶ妹を残して、決して振り返ることなくAはハルと別れた。それが2人の最後だった。
「なんで、殺されたんだ?」
「さぁ?……これはあくまで私の推測だけど……私を裏切らせない為、とかじゃないかな。」
「それなら、人質に……」
「私相手に人質は無意味だとでも思ったんじゃない?ハルは頭も良いし、身体の動かし方が上手い。」
というのもハルは小学校で年上の男の子に喧嘩売られて返り討ちにした、という功績を残してる。知り合いに俺らみたいな不良がいたからか、気付けばこいつらは喧嘩のやり方を心得ていた。
見よう見まねから始まったであろうそれは、武器として使えるまで成長。変な才能を開花させた。
「希咲は恐れたんだよ、ハルと私を。いつか自分を殺しうる存在になると。例えば……殺し屋、とか?」
頭の良いハルが姉のAが裏社会で生きていく事を知らないはずはないだろう。Aの口からそれを知らされなかったとしても、だ。姉妹特有の通じるものがあったのかもしれない。
「裏社会じゃ裏切りは十八番だ。ハルがこちら側に来ると言うなら私は何があろうとあの子の味方になる。私とハルが揃えば敵無しだろうよ。」
Aが小五の時に、確かにこの姉妹は中坊数名をのしてる。それはもう見事な連携プレーで。
840人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あう(プロフ) - 雪見大福さん» そうですね。心配してくれるって事はそれだけ自分の事を大切に思ってくれてるって事ですもんね。 (2021年8月3日 7時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 夢主ちゃん視点で自分の感情が動いてたので心配されるって…嬉しいですなって思いました (2021年8月2日 21時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - 紅さん» 更新を…ずっと待ってます…だと!?えー、嬉し(デレ)作品も気に入っていただけたようでありがたい限りです。頑張ります!頑張っちゃいますッ!! (2021年8月1日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - この作品が好きです。更新ずっとまっています。応援してます。がんばってください (2021年8月1日 22時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - kanraiさん» ありがとうございます!とても励みになります!! (2021年7月30日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あう | 作成日時:2021年7月27日 17時