ご近所さんの不良さん達【東京卍リベンジャーズ】

19．ちゃんと生きるという事 ページ19

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｢三ツ谷隆くん、何してるの？｣

｢掃除に決まってんだろ。｣



リビングでゆったりとしているAが俺がせっせと動いているのを見て問いかける。この家をこのままに放っておく程俺も薄情じゃない。



｢なぁ、お前らの母ちゃん、どのくらいの頻度で帰ってくんの？｣

｢うーん、分かんない。でもこの前いつもよりも大きな荷物をもって男の人と"幸せになりましょ"って笑って出ていったよ？｣



ついには見捨てたか。帰ってくる可能性も無きにしも非ずだが、Aのそれを聞いた限りじゃ戻ってこない線も強い。というか多分戻ってこない。




｢A、紙とかカップ麺、発砲スチロールとかの燃えるゴミは毎週水曜と土曜に捨てる。｣

｢へ？｣

｢電球とか乾電池とかの燃えないゴミは新しい月になって2回目の月曜日だ。｣

｢三ツ谷隆くん？何の話？？｣

｢ビンと缶は別々の袋で捨てろ。キャップとラベルを取って、中を洗って捨てる。｣




普通の環境で育たないこいつらは自分達で生活していく。他とは訳が違うのだから他と同じ様な生活をしてたらダメだ。

生まれてきた環境はどうやっても変えられない。それならばその環境の中で上手く生きていくしかない。



｢飯は俺が何とかしてやる。時々こうしてお前の家にも行ってやる。｣



Aの前でしゃがみ小さなその頭に手を置いた。



｢お前が、お前らがちゃんと生きていけるようにしてやる。A、生まれた環境を憎むな。｣



幼い姉の黒真珠が大きく見開かれた。

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