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ミファー ページ16

小刀を振りかざした途端。

ダルケルの声が響いた。
「姫さん、Aー!!」
慌てて小刀をしまうと、ゼルダ姫の話を聞いているフリをした。
「どうしましたか、ダルケル?」
「ミファーが……」
ミファー。ゾーラの姫であり、槍と治癒能力を使いこなす英傑。大人しく優しい性格であり、私はあまり話していない事に気付いた。
「ミファーが……?」
「モリブリンに……!」

急いで英傑達の元へ向かうと、ミファーは背後から来たモリブリンにスキをつかれ、後頭部を打撃されたらしかった。
倒れたまま動かないミファーを担ぐと、
「私はハテノ村で治癒能力を少しだけ習っていました。これくらいなら治せますので、先へゾーラの里へ行ってください」
英傑達とゼルダ姫に先に進行するよう指示を出した。
確かこの中に治癒能力を使えるのはミファーと私のはず。
英傑達が去った後、救助するつもりの無かったミファーに、何故か治癒能力をかけていた。
ミファーは元から重い症状に悩んでいて、その症状が心臓にも回ってきたのだ、とでも言っておけば、殺せて敵が減ったかもしれないのに。
でも何故か、ミファーは目が離せなかったのだ。

聞き慣れない私の声に目を覚ましたミファーは、案外早く状況を理解した。
「貴方も、治癒能力が使えるの……?」
「ハテノ村で少し習っていたので」
「ありがとう」
哀しい瞳から、暖かな瞳を向けられる。
ミファーの笑顔はとても美しいと感じた。
「これからゾーラの里へ運びます。距離も近いので」
背中に乗るよう促すと、冷たい体温が背中に感じられた。
何も話してはいなかったけど、何故か、とてもこの時間が幸せに思えたのだった。

フルーツケーキの味は→←冷たい視線



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設定タグ:ゼルダの伝説 , ブレスオブザワイルド , 夢小説   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:rikorisu | 作成日時:2020年3月25日 16時

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