AAAの体調不良！2

☆ ページ9

與side



そのまましばらく目を瞑って、
落ち着けようとしていたんだけど


目を瞑ると余計に揺れを感じて、
気持ち悪さが増してくる。



逆効果…

やばい、どうしよ…





宇「真司郎？大丈夫？」



もう何にも考えられなくなって
深呼吸を繰り返していた時。


実彩子がその場に居ない俺に気づいてか、

横に来てくれていた。




宇「気持ち悪い？酔っちゃった…？」

與「ん、大丈夫…ふー…」

宇「我慢しなくていいよ。」



大丈夫、って言ったけど
顔色とかでバレバレだったのか、

実彩子は俺の背中をさすってくる。



やばい…


さすられるのに合わせて、
どんどん吐き気が誘発される。




與「みさこ、やめっ…うっ…」

宇「吐いた方が楽になるって。大丈夫だから。」






與「…んっ、吐くっ…」

ｶｻｯ…



宇「真司郎、大丈夫だから。」

與「ううっ、ｹﾞｰっ…ケホッｹﾎｯ、ぅっ」





ほんとに吐く、ってなって
思わず口を手で抑えると、

実彩子が袋を差し出してきて

そこにそのまま吐いてしまった。




與「ぅえっ、ケホッ、はぁ…時間…」



なかなか吐き気がおさまらず、
そろそろ出演時間になるんじゃないか？
って不安に襲われる。



宇「時間ならまだ大丈夫だから。
番組自体ちょっと押してるみたいだし。」

與「んっ…ハァッ、はぁ」




ようやくちょっと落ち着いてきて、
袋から顔を上げた。


宇「落ち着いた？」

與「ん…ごめんみさこ…」

宇「大丈夫だよ。田中さんの貰っちゃった…？
真司郎の方がだいぶ具合悪そうだけど。」



そういう実彩子の視線の先を見ると、
もうすっかりケロッとしている田中さん。


俺はというと、
吐き気に加えてだんだん頭痛くなってきたし
ちょっとめまいもする…


最悪や…




與「寝不足だったからかな…」



そっか…
じゃ出番まで横になっときな？

って言って実彩子に裏の救護所に連れていかれる。



そのまま布団に横になり、
船の揺れを感じないように目を閉じた。

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