AAAの体調不良！2

☆ ページ11

宇野side



出番の30分前。

そろそろ衣装に着替えてスタンバイしましょうかって頃。



真司郎の様子を見に行くと、
体を起こしていた。




宇「真司郎…？落ち着いてきた？」

與「みさこ…ごめ、はきそ…」

宇「えっ、ちょっと待って」



落ち着いてきて起きたのかと思ったら
気持ち悪くて起きちゃったらしい。

吐きそうって言うから慌てて側にあった
袋を真司郎の口元に広げた。





與「ｹﾎｯｹﾎｯ、うぅっ…っ…」


ちょっと咳込んだあと、
声も出さずにかなりの量戻してしまう。




西「宇野ちゃんそろそろじか…大丈夫？！」

宇「なかなか落ち着かなくて…」




そろそろ着替えなきゃいけない時間みたいで、
知らせに来てくれたにっしーも
びっくりして反対側から真司郎の背中をさする。


真司郎は焦ったように顔を上げようとするけど
まだ吐きそうなのかすぐに顔を歪めた。



宇「真司郎、ゆっくりでいいからね？」

與「んん、…ｹﾎｯ、ぇっ」



それから10分後くらいかな。

ようやく落ち着いてきた真司郎が顔を上げた。



與「ごめ…、も、大丈夫…」

西「真司郎、いける…？」

與「ん、大丈夫…」



大丈夫、って言うものの
相変わらず真っ白な顔して、
目は充血してるし

にっしーに寄り掛かってるのに
体がふらふら揺れている。




西「そろそろ時間だから…2人、着替えれる？」


俺片付けてくるわ、って言ってくれたにっしーに
袋を任せて、

真司郎に口をゆすがせ、私達も衣装に着替えた。







ｽﾀｯﾌ「皆さん、スタンバイお願いします！」




スタンバイの合図がかかり、

ステージとなる場所に集まる。




宇「真司郎？」


斜め前に立っている真司郎。

立っている姿勢が辛いのか、
腕を組んで下を向いていた。



與「…ん？」


振り返った顔色の悪さに驚いたけど、
隠すように笑顔を見せた真司郎。



宇「大丈夫？」

與「ん…。終わったら助けて笑」





ｽﾀｯﾌ「本番30秒前です！！」




この5分はやりきる、っていう
真司郎の気持ちが伝わってきて

私も全力でやろう、って
前を向き直しスタンバイした。

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