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「代償…?何のだ?」
銀時が真剣な表情で私を見つめる。
なるほど、シリアスモードですか!
「私、死なないっしょー?その代償ー。」
重たい空気は嫌いなので、出来るだけかる〜く言う。
「死なないって…あれ冗談だろ…?」
「えー聞いたことない?私の右腕吹っ飛んだ話。」
昔、私が攘夷戦争中に敵に囲まれた時、ヘマをして後ろから斬られ腕が宙を舞った話だ。
それを見ていた仲間が"気づいたら腕が戻っていた "地面に落ちた腕が引っ付いた"と騒ぎたおしたのでかなり有名になった。
「は?あ、あれ…あんなの嘘じゃねぇのかよ…!」
返事はしない、その代わり意味深に笑いかける。
「…じゃあお前は本当に死なねぇんだな?」
「取り敢えず身体真っ二つになった時も
1ヶ月くらいなにも食べなかった時も
毒ガスの充満する部屋で1週間過ごした時も
死ななかったよ。」
「何でそんなことになってんのお前!?」
いろいろあったんだよ…うん。
すると半透明になって空気と化していた神楽ちゃんがソロソロと不安そうに聞いてくる。
「わたし空気アルか?ナァ、ナァ。」
「ごめん、もうちょい空気でいてくれる?」
マジアルか…とまた空気に戻っていった神楽ちゃん、ごめんねごめんね…!
「あ"ーーー…Aちゃーん俺もうどうでも良くなってきたぁ…。」
あくびをして私に背を向けた銀時は冷蔵庫へ向かいイチゴ牛乳を飲み始めた。
「シリアスモード中に飽きるな銀!」
そう言うと銀時は少し嬉しそうに振り向いた。
「懐かしいな…10年前の呼び方だ。」
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作者名:琴爪 凛 | 作成日時:2018年4月9日 1時