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「たっだいまー。」
ガラリと戸を開けると神楽ちゃんがすぐに返事をしてくれた。
「お帰りAー。」
「んんーっ大好き神楽ちゃん!」
ぎうっと抱きつくと戸惑う神楽ちゃん。
「銀ちゃん、これ抱き返していいアルか?でもわたしがぎゅってしたらきっと潰れてしまうアル…。」
昔何かあったのだろう、涙目で銀時に問いかけている。
すると銀時は軽く笑いこたえる。
「いけるいけるー、そいつは体が潰れても弾け飛んでも、灰になったとしても、心臓さえ残ってりゃ蘇ってくるゾンビみたいな」
「ねぇ本当に灰にするけど?」
誰がゾンビだ誰が。
しかしその言葉に神楽ちゃんも安心してくれたようでぎゅっと抱き返してくれた。
「はぅあああっ可愛いーー!」
萌え萌えキューンだよ、ほんと。
ところで、と神楽が私の目を見る。
上目違いですか、計算ですかなんですか。
「ところでA、Aって何歳アルか?」
その声の直後、銀時がピタリと動きをとめ、
私を見つめた。
そして顔を青ざめさせた…あれ、バレたかな。
「お、おまおま、お前…な、なんで…!」
「あーやっぱりバレたのか。てかなんで最初に気づかないの?」
こちらを指差し怯えまくる銀時。
「い、いやだって…そんなもん…あ、あり得ねぇだろ、普通…!
なんで…お前はあの時のまま見た目なんだ!?
あれからもう、何年経ったと思ってんだよ!」
私はそう叫ぶ銀時を見て悲しく目を細めた。
「それが、私の払わなければならない代償だから、かな。」
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作者名:琴爪 凛 | 作成日時:2018年4月9日 1時