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「ぎーん、ぎーん!いつまで寝てんのー死にたいのー?」
ん…A……かぁ?
ゆっくりと起き上がると少し汚れたAの姿が視界に入る。
ピントが合わずボヤけた視界が少しずつ正常なものになっていくにつれて現状について思い出してくる。
「…ほかの、奴らは…。」
「今はシンが先陣切って頑張ってる、ほら銀も早くシンを手伝いに行く!」
シン、というのは晋助のことで何故か俺とアイツだけはあだ名で呼ばれている。
坂本とかヅラは普通に呼ぶんだけどな。
リュウとコタとか呼んでもいいんじゃねぇか?そういやヅラが一回
『1回でいいから!コタって呼んでくれぇ!』
って頼み込んでたか。
…って何考えてんだこの忙しい時に。
「銀!私も一緒に出るから早くしてくれる?」
「あ"ーはいはい。」
Aは既に用意を整えているようだった。
アイツは俺らと違ってとても身軽な格好をしている。
前に聞いた時は『私はアンタ達と違って筋肉とか無いから重たいもの着ると動けなくなるし、この方が可愛いでしょ?』って言われた。
たしかにアイツの着る浴衣のようなものは似合っていた。
黒地に紫の蝶が舞っている、美しい浴衣。
Aがそれを着て戦場に出るとその美しさに士気がグンと上がる。
危険だと言うには言ってもそこまで止めない理由の一つだった。
もう一つの理由は単純に、Aには硬い装備が無くても大丈夫だろうと思えるほどの圧倒的な強さがあった。
俺はアイツに刀が当たったところを見たことがない。
誰も、当てられなかった。
そのうえ常に余裕の笑みを浮かべているんだから、まぁコイツは死なねぇだろ、と思うわけだ。
「ちょっと銀!遅いって!」
うわ、忘れてた。
立ち上がり刀を取ると少し怒っているのか、
睨みつけられた。
「もう…行くよ。」

毎度毎度、コイツとここにいると考える。
戦場に足を運ぶことに対し、
恐怖も悲しみも見せないA。

どんな育ち方したんだ、と聞いても多分答えてはくれない。
「…わかんねぇな。」
アイツのことはよくわかんねぇ。
…まぁ今は関係ねぇか、集中しねぇとな。
しかし、集中出来てないのは俺じゃなかった。
「ぃあっ!?!?」
Aの声だ、後方から小さく悲鳴が。
「A!?」
そちらに目をやろうとするが目の前の敵を倒すのに精一杯でそんな余裕は無い。
すると後ろから兵士達の恐れの声が聞こえていた。
「何が起こってんだ?」
気になって仕方がない。

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作者名:琴爪 凛 | 作成日時:2018年4月9日 1時

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